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ブライトンの三笘薫がレスター戦でスーパーゴールを決める。今季4得点目だ(写真・ロイター/アフロ)
ブライトンの三笘薫がレスター戦でスーパーゴールを決める。今季4得点目だ(写真・ロイター/アフロ)

なぜ三笘薫の「Absolutely no chance(お手上げ)」と実況された“ゴラッソ”が生まれたのか…見えてきた日本人プレミア最多得点記録

 最高峰とされるプレミアリーグの舞台で、文字通りの無双ぶりを発揮している要因は、悔し涙とともにカタール大会を終えた直後に残した言葉に行き着く。
「代表に求められるのは、もっと攻撃的なサッカーだと感じている。そのためには選手個々のレベルをアップさせていくしかない。一人ひとりがもっと脅威になれば、そこから崩していけるのがサッカー。1対1をもっと強くしていかなければいけない」
 主戦場の左サイドで仕掛けるドリブルから、縦へ突破してチャンスメーク役を演じるだけでなく、カットインから豪快なミドルシュートも決める。川崎フロンターレ時代にも、昨シーズンに期限付き移籍したベルギーのユニオン・サンジロワーズ時代にも見られなかった武器が備われば、対峙する相手は文字通り「Absolutely no chance」となる。
 プレミアリーグでプレーした日本人選手のシーズン最多ゴール記録は「6」で、2012-13シーズンのMF香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)と、2017-18シーズンのFW岡崎慎司(レスター・シティ)がそれぞれマークしている。
 レスター・シティ戦でゴール数を「4」に伸ばした三笘には、今シーズンの試合数がまだ「19」も残っている。カタール大会後の量産ペースを踏まえれば、香川と岡崎を超えるのは時間の問題と言っていい。実際、解任されたグラハム・ポッター前監督に代わって今シーズン途中の昨年9月に就任し、三笘を重用してきたデ・ゼルビ監督はこう語っている。
「私は毎日、三笘に対して10ゴール、10ゴールと言っている。彼は『イエス』と答えているから、私が求めているものを彼は理解していると思う」
 ファーガソンの同点弾を巻き戻せば、相手ボールになりそうな刹那で必死に足を伸ばし、味方に繋げた三笘の粘りに行き着く。最高峰の戦いでさまざまな能力を身につけながら、目標に掲げる「脅威を与える存在」への階段を、三笘は一気に駆け上がろうとしている。

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