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阪神のドラフト1位の森下翔太が紅白戦で内野安打を放つ(写真・黒田史夫)
阪神のドラフト1位の森下翔太が紅白戦で内野安打を放つ(写真・黒田史夫)

阪神ドラフト1位の森下翔太がバース流の打席位置で「開幕ライト」争いへ参戦…岡田監督は「段階的には順調ちゃうか」

 初ヒットに関して「まあ、そんなもん…」と多くを語らなかった岡田監督が注目したのは、そのバッターボックス内の立ち位置だ。森下は、バッターボックスの右奥後ろのベースから離れた位置に立っていた。
「結構打席が後ろやな。ベースから離れとんね。これからやけど、一番離れとるな。右に打てるからかな。外国人は、リーチが長いから(内角への)対応で離れているが、(外国人と)一緒くらいに離れとる」

 右打者と左打者の違いはあるが、あの伝説の“3冠王”ランディ・バースが、バッターボックス内でベースから一番遠い位置に立っていた。バースの場合、苦手な内角への対応と同時にリーチの長さとと踏み込みがあり外角球を逆方向に打つことができるために、その位置を選んだ。
 岡田監督も森下が、その打席位置を選んでいる理由を「右に打てるからかな」と分析している。
 実際、初ヒットの内野安打も一、二塁間に飛ぶ右方向の打球だった。外角への変化球にバットが届くのであれば、あの位置に立つと、相手バッテリーの内角攻めへの効果が薄れ、佐藤輝明のように執拗な内角攻めのマークにあって苦しむこともなくなる。
 日本人選手の右打者では、巨人に移籍した長野久義、松田宣浩の2人も同じようにベースから離れて立っている。
 期待のドラフト1位も右足を痛めた影響で2軍スタートとなった。別メニューが続き、まだ外野守備を含めた全練習メニューを消化することができていないが、2度の出塁では、走者として残り、内野安打の後は、植田海の遊ゴロで二塁へスライディングも敢行した。
「無理はしすぎずにやっている」と言うが、その動きを見て岡田監督は「走ってスライディングしとるし、明日はシートにも入る」と判断。試合後には、平田ヘッドと和田2軍監督が、森下を呼び、足の状態に問題がなければ、今日12日の紅白戦の試合前のシートノックからライトのポジションに入るように指示した。
 まだライトでの守備のベールは脱いでいないが、阪神の編成関係者の話によると「肩、足とも抜群。ライトをそつなくこなしていた佐藤輝以上の守備力がある」とのこと。今日12日の紅白戦では、続けてDH出場となり、2打席くらい打席に立つ予定。
「まだちょっと西(純矢)とか才木とかには当て辛い。徐々にやな」と、岡田監督は、自信を失わないように、続けて対戦相手にも配慮する考えを示したが、試合前のシートノックで、どんな守備の動きを披露するかにも注目が集まる。
 シートノックの動きに問題がなければ14日からの第4クールにも1軍合流の可能性が出てきた。
 思ったよりも早く開幕スタメンへ向けての準備に入る回復を見せているのはチームにとって朗報だろう。
 岡田監督も「明日はDHで打席に立たせるけど、ひとつひとつ段階が上がっていったら、ええんちゃうか。段階的には順調。怪我はあったけどね」という目で見ている。
 現在の開幕ライトの候補は、前日、岡田監督が「重症や」と直接指導、救いの手を差し伸べた高山俊、機動力を使える島田海吏、指揮官に打撃を再評価されている板山祐太郎、そして新外国人のミエセスの4人。

 

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