• HOME
  • 記事
  • 格闘技
  • プロボクシング界は朝倉未来が仕掛ける人気沸騰の「ブレイキングダウン」を学ぶべきか?
朝倉未来がプロデュースする1分勝負の格闘技イベント「ブレイキングダウン」が大人気
朝倉未来がプロデュースする1分勝負の格闘技イベント「ブレイキングダウン」が大人気

プロボクシング界は朝倉未来が仕掛ける人気沸騰の「ブレイキングダウン」を学ぶべきか?

 ユーチューバーで総合格闘家の朝倉未来がプロデュースしている1分間の総合格闘技イベント「ブレイキングダウン」が大人気だ。格闘技としての競技レベルは決して高いとは言えないが、出場選手のユーチューブ発信や記者会見でのトラッシュトーク、乱闘などの“煽り”とエンターテインメント性が若者を中心とした視聴者の支持を得ている。一方で対極にあるのがプロボクシング界。前4団体統一王者の井上尚弥というスーパースターは登場しているが、業界全体の勢いや人気面では及ばず「ブレイキングダウンに学ぶべきだ」という意見や「正統派を貫くべきだ」という主張が交錯する。果たして正解は?

 対照的な2つの記者会見

 

 対照的な記者会見が2日続けてあった。
 18日、ユーチューブで生配信された「ブレイキングダウン7」(幕張メッセ・19日)の前日会見は、1部から4部までに分けられ、全33試合、謎の襲撃を受けて欠場を表明したラッパーのSATORUを除く65選手が、それぞれマイクを持って自己アピールをした。のべ約1時間40分。“お約束“の乱闘騒ぎまであり、それは、もう立派なショーと化していた。再生数は150万回以上。
 一方、前日の17日に行われたプロボクシングのOPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王座決定戦(3月29日・後楽園ホール)などの会見は、ショー的要素は一切排除された対照的な正統派会見だった。
 興行を主催する都内の志成ジムのリング内に椅子が並べられメインで対戦する元WBOアジアパシフィック・フェザー級王者の森武蔵(志成)と元WBO同スーパーフェザー級王者の渡邉卓也(DANGAN AOKI)ら出場全選手が揃って会見に臨んだ。
 実は、ちょっとしたハプニングがあった。会見は、正午から行われたのだが、森武蔵の対戦相手の渡邉が約30分の大遅刻。12時開始の記者会見を14時開始と勘違いしていたという。これが「ブレイキングダウン」であれば、罵詈雑言が飛び交い、乱闘に発展してもおかしくなかったが、遅刻してきた34歳のベテランボクサーは「申し訳ありません」と謝罪。森武蔵も「別に怒っていませんよ」と冷静に受け流した。
 煮えたぎる闘争心は、3月29日までとっておくというスタンス。
 森武蔵は「階級は違うが2年前には取れなかったタイトル。相手も違うが、しっかりと取って先へ進みたい。渡邉選手は全体的にまとまりがありベテランらしい戦いをする選手だなという印象。相手がどうこうより、1か月でしっかりと仕上げたい。必ず勝てる相手」とコメントした。
「ブレイキングダウン」は、ユーチューバーやユーチューブ活動を行っている格闘家の参戦の目立つのが特徴で、ユーチューブやSNSを使っての事前の煽りや“場外戦”が盛んに行われ、ストーリーを作りあげ、記者会見での直接対決が、前哨戦のハイライトで、時には、乱闘騒ぎにも発展する。
「ほっそん」こと、プロボクシングのスーパーウェルター級元日本&元OPBF東洋太平洋&元IBFアジアの“3冠王者”の細川貴之は「ブレイキングダウン5」に続き、今回の大会に出場するが、書類選考、オーディションを経て、やっと試合出場にこぎつける“狭き門“をくぐり抜けてきた。一連のユーチューブやSNSでの煽り、記者会見でのトークバトルには、筋書やシナリオがあるようにも思えるが、「そういう“やらせ”は一切ないんです。各自が自分で考えてセルフプロモーションをしているんですよ」と明かす。 
 試合内容や結果は、もちろんのこと、そこまでの自己プロデュースの仕方も出場の審査対象になっているという。

 

関連記事一覧