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J3アスルクラロ沼津の監督に就任した元日本代表FW中山雅史の初陣は黒星スタートとなった
J3アスルクラロ沼津の監督に就任した元日本代表FW中山雅史の初陣は黒星スタートとなった

なぜ“ゴン”中山雅史のJ3沼津監督の初陣は黒星スタートとなったのか…「まだまだ未熟」

 J3アスルクラロ沼津の新監督に就任した元日本代表FWの中山雅史氏(55)が5日、香川県丸亀市のPikaraスタジアムで行われたカマタマーレ讃岐とのリーグの開幕節で“監督デビュー”を果たしたが0-1で惜敗。前半から試合を支配した沼津は計10本のシュートを放つも決定力に欠け試合終了間際に一瞬の隙を突かれて失点した。初陣を勝利で飾ることはできなかったが、標榜してきた“ゴン中山スタイル”が随所に反映されていてチームは大きく変貌していた。

 「勝てなかったことが一番悔しい」

 

 4分のアディショナルタイムに入る直前の後半45分にスコアレスの均衡が崩れる。前がかりになった背後を突かれ、ゴールネットを揺らされた直後。腕組みしながら戦況を見つめていた中山監督が、振り向きざまに目の前にあったベンチのフレームに額をこすりつけた。
 胸中にはどのような感情が渦巻いていたのか。敵地の歓声が響いてくる状況下で行われた試合後の公式会見。紺色の上下のスーツに白いシャツ、ノーネクタイでデビュー戦に臨んだ中山監督は「勝てなかったことが一番悔しいですね」と讃岐に屈した開幕戦を総括した。
「勝利を目指して戦った以上は、それを手にしたかったので非常に悔しく思っています。選手たちはいままでやってきたことを表現してくれたし、気持ちをしっかりプレーに出して戦ってくれました。ただ、自分たちの時間帯で訪れたチャンスを決め切れなかったところが心残りですし、最後に決められたところも含めて、まだまだ未熟なのかなと思っています」
 初陣を戦うにあたって選んだシステムは昨シーズンの主戦だった[4-4-2]ではなく、キャプテンの菅井拓也(31)をアンカーの位置に配した[4-1-2-3]だった。
 ただ、マイボールになると右サイドバックの安在達弥(26)がポジションを離れ、菅井の周囲や3トップの背後を含めた中盤中央に姿を現して攻撃を差配する。マンチェスター・シティの名将ジョゼップ・グアルディオラ監督(52)がバイエルン・ミュンヘンの指揮官時代にチーム戦術として確立させ、世に広めた“偽サイドバック”が沼津の攻撃を活性化させた。
 まさに神出鬼没の安在が讃岐の選手たちを戸惑わせ、守備で後手を踏ませる。もっとも、Jリーグでは横浜F・マリノスが最初に取り入れ、その後に川崎フロンターレやサガン鳥栖なども導入している“偽サイドバック”とはちょっと違うと中山監督が説明する。
「繋ぎの部分で攻撃に厚みとスピードをもたらす意味で、あそこには誰が入ってもいいと言ってあります。なのでサイドバックの(安在)達弥が入るのももちろん許容していますし、何よりもチームが始動したときから、その場、その場の状況に応じてポジションを取って攻撃を展開してほしいと、達弥だけでなくすべての選手に伝えながらやってきました」

 

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