なぜ巨人に“魔の8回問題”が起きているのか…3四球の自滅で中日に逆転負け…8回失点は6試合連続
“魔の8回問題”が起きている原因を「投手が相手打者ではなく別のものと勝負しているように見える」と分析したのは、セ・リーグ出身の元タイトルホルダーのプロ野球OBだ。
「菊地は、150キロを超えるストレートを持ち、それを狙って振った細川がファウルにするのが精いっぱいという球威があった。なのに、ストライクゾーンで勝負ができないのは、”魔の8回”を意識させられて”打たれたらどうしよう”という負のメンタルが蔓延ってしまっているからではないか。もっと言えば、その背景に負けられない巨人ブランドと、チームの全権を握る原監督のプレッシャーがあるように見える。若い投手だから、なおさらそれを感じているのかもしれない。セットアッパーを任す人材が不足していることが一番の根本的な理由ではあるが、阪神の岡田監督が、苦しい場面にこそ経験のある岩崎らを使っている起用法とは対照的だ。原監督が、8回を若い投手に任せて、育てようと考えているのであれば、まず投手のメンタルの立て直しが重要に思える」
“名将”の故・野村克也氏が、楽天の監督時代に、当時の投手コーチに懇々と、こんな持論をぼやいていたことがある。
「プロ野球にドラフトで入ってくる投手なんだから素材は間違いない。なのに、なぜ打たれるかわかるか?」
投手コーチが答えに窮していると「ほとんどが気持ちの問題なんや。マウンドで持っている力を出せるか、どうかは、気持ちの問題。自分の長所と短所を知り、データを分析して頭を使い、準備することで自信を持たせて無鉄砲では困るが、最も重要なのは攻める気持ちを忘れさせないことや」と、メンタルの重要性を説いたことがある。特に四球で崩れる投手の大半が技術的な問題ではなくメンタルの問題だと言う。
首位を走る横浜DeNAは昨秋のキャンプから投手陣に「3球目までのストライク先行のカウントを作ること」を徹底的に意識させてきた。「1-2」「0-2」のカウントだ。ある意味、時間をかけてメンタル革命を成功させたとも言える。巨人もなんらかの手を打たねばならない。
膨らんだ借金「5」は最下位の中日と並び、ゲーム差なしの5位になった。原巨人は、最下位転落の危機的状況をどう脱するのか。明日9日は新潟での横浜DeNA戦。好調の横浜DeNAはデビュー戦で圧巻の初勝利をマークしたサイヤング賞投手のトレバー・バウアーが先発予定となっている。
(文責・RONSPO編集部)