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阪神2年目の左腕である桐敷が巨人戦で7回10奪三振1失点の好投を見せ念願のプロ初勝利(資料写真・黒田史夫)
阪神2年目の左腕である桐敷が巨人戦で7回10奪三振1失点の好投を見せ念願のプロ初勝利(資料写真・黒田史夫)

TG戦の明暗を分けた指揮官の采配攻防…プロ初勝利の桐敷を続投させた岡田監督の“慧眼”と好投の横川を交代させた原監督の“裏目”

 加えて7回に決勝の犠飛を放った木浪の「桐敷が本当に初回から頑張ってくれていたので何とか1点取りたいと事を起こしたいという気持ちで打席に入った」の言葉に代表されるような「桐敷に白星を」の団結心がチームにあった。岡田監督も、そのチームの熱をベンチで感じとっていたのかもしれない。
 セ・リーグの野球に詳しいプロ野球OBは、「原監督は岡田監督を意識しすぎたのかもしれない」と分析した。
「1点差ゲームは、監督の手腕と言われているが、原監督は自分の采配でゲームを動かそうとしすぎた。横川の6回降板、6回一死一塁からの秋広のバントにも疑問が残る。秋広を3番で使った意味がない。この2つの采配が典型。選手の力を信頼して選手が役割を果たせばゲームが動くと考える岡田監督と、その岡田監督の采配をどこかで意識過ぎて、采配が前に出過ぎて、空回りした原監督のタクトの違いが明暗を分けたと思う」
 原監督は序盤から仕掛けた。3回無死一塁では、横川のバントが心元ないと考えたのか、カウント2-1からバントエンドランのサイン。横川のバントはボールに当たらなかったが、門脇が盗塁に成功。その後、二死三塁となってから坂本のレフトフェンス直撃のタイムリーヒットで先取点をもぎとった。
 だが、クッションボールを素手で取ったノイジーが素早くカットマンの木浪に返球、木浪から中野とつなぎ、二塁を狙った坂本は憤死した。沖縄キャンプから徹底してきた阪神の中継プレーと、内野出身のノイジーのクイックスローに追加点のチャンスを潰されたのは誤算だったのだろう。
 原監督は、4回にも一死一塁から走者岡本、打者大城で、カウント2-2からヒットエンドランを仕掛けた。大城はインサイドのツーシームに空振りの三振に倒れ、岡本も二塁でアウトになる最悪の三振ゲッツー。第1打席も桐敷に徹底してインコースを意識させられ三振に終わっていた大城の打撃内容を考えると、焦って動く場面ではなかったのかもしれない。
 6回には一死一塁で3番の秋広にバントのサイン。秋広のバントは小フライとなって失敗、桐敷がキャッチした。続く岡本が三遊間ヒット。送っていれば、貴重な追加点になっていたのかもしれないが、何から何まで裏目に出た。これもベンチが動き過ぎた結果の空回りの策に思えた。

 

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