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開幕投手の青柳と5番打者の佐藤が不振で中日に敗れて連敗で3位転落
開幕投手の青柳と5番打者の佐藤が不振で中日に敗れて連敗で3位転落

なぜ阪神のエース青柳は勝てず5番“サトテル”に本塁打が出ないのか…今後は2軍で再調整すべき?それとも?

 阪神が中日に逆転負けを喫した。21日、バンテリンドームで行われた今季の初対戦カードで開幕投手を務めたエースの青柳晃洋(29)が3回持たず4失点で降板、5番打者の佐藤輝明(24)は3連続三振を含む4打数ノーヒットでブレーキとなった。青柳は14日の横浜DeNA戦以来、2試合続けてのKOで、佐藤は打率1割台でいまだ本塁打ゼロと低迷。なぜ投打の主軸はスランプの陥っているのか。トンネルを脱出するための最善策とは?

 逆球のオンパレード

 

 昨季の“投手3冠王”がまたしても背信だ。
 先取点をもらっての1回の立ち上がりに左を6人並べた中日打線につかまる。昨季9打数6安打と相性の悪い先頭の大島にいきなりボール3つ。レフト前ヒットを許し一死からアルモンテにツーシームを逆方向へおっつけられ、4番の石川に一、二塁を破る同点タイムリーを許す。フルカウントから梅野は内角にミットを構えていたが、ツーシームはど真ん中へ。
 さらに二死から今季初スタメンの溝脇にまた外を狙ったツーシームが逆球となった。ライトフェンス直撃のタイムリーツーベースを打たれ、あっさりと逆転されてしまった。青柳は2回にも二死から大島にセンターヒット、岡林を歩かせ、アルモンテにライト前にタイムリーを浴びた。これも梅野が外角にミットを構えていたが、逆球となって内寄りに甘く入った。
 制球ミスだ。
 立ち直る気配はなく3回には、四死球絡みで二死一、二塁となって投手の小笠原にまで、センターへタイムリーを弾き返された。すでに球数も74球。さすがに岡田監督も交代を告げざるを得なかった。
 スポーツ各紙の報道によると、3回を持たずに4失点KOした開幕投手について岡田監督は「まずストライクが入らんかったら勝負できひんわけやから」と嘆き、青柳が得意とする打者のタイミングを外すクイックモーションでの投球はストライクにならないと意味がないことを説いたという。
 阪神OBで評論家の池田親興氏は青柳の投球をこう評した。
「左打者の内角にボールがひっかかり、外角へは抜け、右打者のインコースを攻めきれない。ここ2年、青柳を攻略できなかったバッターが嫌がってきたボールが、ことごとく逆球となってストライクにならないから、組み立てが苦しくなり、カウント負けして勝負球がすべて真ん中に甘く入るという悪循環。前回登板の横浜DeNA戦、そして、この日の中日戦と、青柳の自滅パターンだった」
 14日の横浜DeNA戦も4四死球と荒れて5回持たずに5失点KOした。
 池田氏は、青柳の不調の原因をこう分析した。
「頭が踏み出す左足の方に早く流れている。クイックを含め、1球、1球、タイミングをずらして、内外の低めにボールをコントロールするのが青柳の持ち味だが、軸足の右足から左足へ重心を移すタイミングをまだつかみきれていないように見える。ボールがひっかかるのが目立つのは、その影響だろう。そういうメカニックの問題に加え、開幕を任されたエースとしてなんとかしなければならないという責任感が焦りにつながっているようにも見える。これまでの青柳の打者を支配していく余裕がなくなっている」

 

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