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トランスジェンダー男子ボクサーの真道ゴー(右)が願っていたプロテスト受験は却下されたが、準公式試合は認められた。左は本石会長(昨年の資料写真)
トランスジェンダー男子ボクサーの真道ゴー(右)が願っていたプロテスト受験は却下されたが、準公式試合は認められた。左は本石会長(昨年の資料写真)

プロボクシングJBCが策定した「トランス男子ルール」は大きな一歩なのか、多様性の時代に適応できていないのか…真道ゴーのプロテスト受験は見送ったが準公式試合は認め“門戸”は開く

 準公式試合は、レフェリー、ジャッジがつき、勝敗も決められ、ヘッドギアの着用も義務づけず、グローブも場合によっては、公式戦と同等の10、8オンスの使用も可能なほぼ公式戦に近いもの。ただラウンド数は3ラウンド程度と限られ、スタンディングダウンが採用され、レフェリーが早期ストップを心掛けるなど、「公式戦に比べると危険性はかなり下がる」(安河内本部事務局長)という。実際、ジュニアチャンピオンズリーグの大会は、準公式試合として実施され、それらのルール運用で事故は起きていない。
 対戦相手はプロでもOK。ただ女子ルール適用のボクサーとはJBCの特別許可がない限り対戦できない。
 そして、これらの第5条に及ぶルールが「トランス男子ルール」としてJBCルールに追記されることになった。準公式試合の内容が精査され、フィジカルや技術、なにより安全性が確認された場合、次の段階としてプロテスト受験を認める可能性があるという。
「その可能性を残すための措置。危ないからダメではない。トランスジェンダーのボクサーが戦う権利はある。方向性としては門戸を開きたい。これは第一段階のステップ」
 安河内本部事務局長はそう説明した。
 たとえば、男子では、6回戦の選手が、8回戦に上がる際には、2勝が条件とされているが、トランス男子ボクサーのプロテスト及び公式試合が認められるために必要な試合数や勝利数は定められていない。ただ、目途としては「2、3試合」とされ、この準公式試合をプロテストとみなし、いきなり公式戦を認める可能性もあるという。
 同ルールには、付則として「本ルールの見直し」という一文があり、「本ルールは、この分野に関連する倫理、人権、法律、科学、医学の進歩に応じて、これを反映するための見直しを行うよう努力するものとする」と、今後のルール改正の可能性についても含みを持たせた。
 一方で、真道に限れば、すでに36歳となったため、準公式試合を重ねている間にプロテスト資格の37歳をオーバーする可能性もある。
 JBCは、真道を救済するためではないが、これまでの年齢制限を撤廃することも決定した。ただ同時にCTスキャンではなくMRI検査を義務つけるなど、ボクサーの健康管理をより厳しくすることも併せて定めた。
 だが、1年以上待たされたあげくの見送りの結論に真道、サポートしてきたグリーンツダジムの本石会長は失望した。真道はブログに「プロテスト受講は今のところ認められないという形となりました。専門家委員を立ち上げ、諮問機関からもGOサインもでて、中京大学では、4回戦ボクサー、6回戦ボクサー、日本ランカーの男子プロボクサー達参加のもと、体力、筋力テストなどを行い、男子ボクサーや男子アスリートの平均値よりも上の結果がでたりなど、プロテストに向けて順調な方向だったことを考えると残念な結果ではありますが、、、、」と記した。
 そして認められた準公式試合を行うかどうかについては、「この準公式試合に出るのか、海外でのリングに上がることなども検討しながら、今後について考えていきたいと思っています」と、悩める心情を示した。
 本石会長も、「〇でも×でも異議は申し立てずに受け入れる考えでいたが、我々が思い描いていた結論とは、あまりにもかけ離れた悔しい結論」とコメントした。

 

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