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一夜明け会見で無効試合裁定について説明。左から王者のマネージャーのブリトー氏、IBFスーパーバイザーのケイルティー氏、プロデュースした亀田氏、重岡が所属するワタナベジムの渡辺会長
一夜明け会見で無効試合裁定について説明。左から王者のマネージャーのブリトー氏、IBFスーパーバイザーのケイルティー氏、プロデュースした亀田氏、重岡が所属するワタナベジムの渡辺会長

重岡銀次朗の世界戦“疑惑裁定問題”にIBFの立会人はどんな見解を示したのか…両陣営は4.16代々木第2での再戦“仮契約”結ぶ

プロボクシングのIBF世界ミニマム級タイトルマッチで起きた無効試合裁定について一夜明けた7日、大阪市内のKWORLD3ジムでIBFのスーパーバイザーを務めたベンジャミン・ケイルティー氏、ワタナベジム渡辺均会長、興行をプロデュースした亀田興毅氏、王者側のマネージャーのアレハンドロ・ブリトー氏が会見を開き、場内を騒然とさせた“疑惑裁定”についての見解を示した。挑戦者の同級5位の重岡銀次朗(23、ワタナベ)が有利に進めながらも3回に偶然のバッティングが起き、戦意を喪失した王者のダニエル・バラダレス(28、メキシコ)が泣きながらダメージをアピール。レフェリーが試合続行不能と判断して無効試合の裁定に場内が騒然となったが、ケイルティー氏は、その判断を支持。再検証はJBCからの正式な申し立てがあれば行うという。ただ、同氏は、IBFのダリル・ピープルズ会長にダイレクトリマッチを要求するレポートを提出、王者側も、前向きに受け入れる姿勢を示し、IBFの指令が下ることを条件に、亀田氏は、4月16日に代々木第二体育館で開催される「3150FIGHT」で再戦を実現したい意向を示し、この日、両陣営は仮契約を結んだ。

亀田興毅氏はVTR判定の導入を要望

 “疑惑の裁定”への余波が続く中、IBFのスーパーバイザーが、それらの批判の声に反論した。ノーデジジョン(無判定試合)とアナウンスされた裁定についてノーコンテスト(無効試合)と、どう違うかが不明だったが、ケイルティー氏は「同じである」という見解を示した。
 無効試合裁定に対する疑念は3つある。
 ひとつめは、流血など目立った外傷もなくドクターがストップをかけていない状況で本人の訴えだけをもとにレフェリーのクリス・フローレス氏(米国)が下した試合続行不能の判断は正しかったのかどうか。ケイルティー氏は、「レフェリーはルールに従って判断した。続行不能と判断すれば止めなけばならない」と説明。
「ドクターの意見はあくまで参考で、一番近くで見ているレフェリーが最終決定をする」と、5分間の休憩を与えて回復を待つことなく即断したレフェリーの裁定を支持した。 
 王者側のマネージャーのブリトー氏は、「左耳が聞こえない状態となり、めまいがした。病院でのMRIの結果、異常はなかったが、耳の中が腫れていて、まだよく聞こえず、めまいも続いている」と説明したが、JBC側が、病院から受けた報告によると耳についても異常がなかったという。
 渡辺会長も「ボクシングはダメージを与える競技。めまいがしたからと言って止めるスポーツではない」と不快感を示した。
 またレフェリーは、リング内でスペイン語でバラダレスとコミュニケーションを取っており、ケイルティー氏を含む本部席では、事態を正確に把握できないまま裁定が下された。レフェリーに試合ストップの権限はあるが、決定への経緯にも疑問は残る。
 二つめは、王者のダメージがバッティング以外によるもので、実際は棄権で「王者のTKO負けではなかったか」という疑念。そして三つめが、バッティングは偶然ではなく、故意でなかったか?という疑問だ。バラダレスは、頭から突っ込んできて、重岡の左アゴに当たっているし、その前に左ボディを効かされた王者は、腰をくの字に折り、クリンチに逃げるシーンもあった。
 渡辺会長や、亀田氏は、現場で「ボデイが効いていたし、事実上の棄権でTKO負けだろう」との主張を展開している。
 また重岡自身は、「故意かどうかはわからないが、3ラウンド以内とかを考えていたのかもしれない。なんでもありなんですかね」と、4ラウンド終了以降のアクシデントによる負傷ストップは、そこまでの判定に委ねられることから、3ラウンドで試合を止めて無効試合に持ち込む作戦だったのではないかとの疑念を抱いていた。
「この問題を映像やヒアリングで検証して裁定が後日変わることがあるのか?」との質問を投げかけるとIBFの立ち合い人は「それはない」と否定。
「もしクレームがあるのであればJBCを通じて異議を申し立てすべき」と続けた。渡辺会長は「JBCと相談したい」と語るに留まったが、亀田氏は、「プロモーターの立場から、試合映像を添えてJBCに、IBFへの異議申し立て、再検証をお願いする」と明かした。
 昨年12月に韓国で行われた元WBO世界バンタム級王者、ジョンリール・カシメロ(33、フィリピン)とWBO世界スーパーバンタム級7位の赤穂亮(36、横浜光)のノンタイトル10回戦では、カシメロの後頭部への反則パンチを受けた赤穂が戦意を喪失、ダメージをアピールして韓国コミッション(KBM)が続行不可能と判断して「無効試合」となったが、後日、フィリピンのスポーツを統括するGABからの異議申し立てを受けたKBMが再検証を行い、赤穂側から提出された「後頭部へのパンチ以外でのダメージがあった。私の負け」とのレターが決め手となり「無効試合」から「カシメロのKO勝ち」に裁定が変わったケースもある。しかし、これは極めて異例の裁定変更で、今回、王者側がヒアリングに対してTKO負けを認めることは考えられないが、ファンを混乱させ、重岡を悲しませた疑惑の裁定だけに、しっかりとした検証作業は必要だろう。

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