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井上尚弥の2階級4団体統一のかかったタパレス戦が12月26日に有明アリーナで行われることが正式発表された(©SECOND CARRER)
井上尚弥の2階級4団体統一のかかったタパレス戦が12月26日に有明アリーナで行われることが正式発表された(©SECOND CARRER)

なぜ2階級4団体統一戦が正式決定した井上尚弥は封印していたKO宣言を解禁したのか…「どこまで強くなれるか」…タパレスに抱く危機感とボクシング配信時代を引っ張る責任感

 自宅もあるラスベガスで現在調整中のタパレスは来日しなかったが、代わりに会見に出席したMPプロモーションズのショーン・ギボンズ氏は、「フルトンと違ってタパレスは勝ちに来る」と強気の姿勢を貫いた。
「井上のパワーパンチを注意しているが、タパレスはテクニックがあってガードもしっかりしている。ジャブもいい。に気をつけて戦う必要もあるが、彼は世界王者だ。日本での戦いも得意。映像ではなくフルトン戦を生で見たこともプラスだ」
 そういう相手だからこそモチベーションも高い。
 バンタム級の4団体統一を成し遂げた昨年12月のWBO世界同級王者、ポール・バトラー(34、英国)との試合は対戦相手として負ける要素はなく燃えるものは少なかった。
「自分自身(タパレス戦には)危機感もある。パワーパンチャーでもあるし、独特のタイミングで打ってくるところもある。その点で、モチベーションだったり、トレーニングへ向かう気持ちだったりとかが1年前の4団体統一戦とはまったく違う」
 クロフォードに約5か月だけ先を越されたが、2階級4団体統一というボクシング史上2人目の偉業がかかる。
「この先、日本人がたどりつけないところまでいきたい。ただ今回も記録ありきの試合じゃない。強い相手と戦いたいという思いで、この試合を組んでもらった。それを証明するのは4本のベルトをまとめるのがてっとり早い。しかし、記録を前面に押し出して戦うんじゃなくて、どんなパフォーマンスができるか、どこまで強くなれるかを追い求めたい」
 2階級4団体統一が「誰もたどりつけない場所」ではないという。
「そこじゃない。どこまで強くなれるか。30歳になって気持ちと体がいいバランスで保ててトレーニングができている。安定感が増し、まだ伸びるんじゃないか?と感じながらトレーニングができている。言葉でいい表すのは難しいが、一番大事なことは気持ちと体のバランス。それがないとやりたいボクシングができない。今はいい感じで一致している」
 「35歳引退説」を掲げる井上はすでにボクシング人生の逆算を始めている。
「キャリアもあと5年くらいかな。逆算していかなくちゃいけない年数になっている。今年があと1試合。来年がやれて3試合、再来年にまた階級を上げるのか、スーパーバンタム級でやるのか、来年、再来年までの計画を立てている」
 来年の3試合でターゲットとしているのは、元WBC世界バンタム級王者、山中慎介氏との戦いでドーピング疑惑や体重超過などの悪の限りを尽くして、事実上、日本のリングから永久追放となっている元2階級制覇王者のルイス・ネリ(28、メキシコ)と、挑発を続けてきた問題児のジョンリエル・カシメロ(33、フィリピン)、タパレスに2つのベルトを僅差判定で奪われたアフマダリエフの3人。それでもカシメロに関しては、12日に小國以載と負傷ドローに終わった内容を見て「カシメロはいまいち。興味は薄れた」と、4団体統一後の初防衛戦候補からは除外した。そしてその次に待つのが、フェザー級、5階級制覇への戦いである。
 それにしても“モンスター”の駆け上がり方は、異例中の異例。クロフォードでさえ2階級目の4団体統一までに6年かかったというのに井上は、わずか2試合、しかも1年で成し遂げようとしているのだ。

 

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