「ショウヘイがどれだけ勝ちにこだわっているか…日々の勤勉さに感動」カーショーやマンシーらド軍仲間が地区優勝へ導いた大谷翔平を絶賛
ドジャースが26日(日本時間27日)、本拠地での2位パドレスとの直接対決に7-2で逆転勝利を収め、3年連続22度目のナ・リーグ西地区の優勝を決めた。大谷翔平は(30)は「1番・DH」で出場し、2-2で迎えた7回に決勝タイムリーを放つなど、5打数3安打1打点の活躍でメジャー挑戦7年目にして初の美酒を味わい、23年ぶりとなる400塁打を達成した。左腕エースのクレイトン・カーショー(36)らチームメイトからも「53―56」で優勝を牽引した大谷への賞賛の声が相次いだ。
ロバーツ監督を驚かせた過去一の大一番での勝負強さ
頼れるのはやはり「53-56」の大谷だった。
パドレスの先発ジョー・マズグローブを攻略できず6回まで0-2で重苦しい展開が続いていた。だが、7回無死一塁からウィル・スミスが起死回生の同点2ランを放ち、さらに一死一、二塁とチャンスを広げた場面で大谷の打席が回ってきた。
「ヒットを打つことだけ考えて、本当に他の打席とやることは変えずに自分の打席にまず集中した」という。
2番手の左腕タナー・スコットがカウント1-0から外角高めに投じた138キロのスライダーだった。引っ張った打球は、飛び込んだ一塁手ルイス・アラエスのグラブの下を抜けていく。5万2443人の超満員のドジャースタジアムを大興奮させた勝ち越しのタイムリー。
「集中しすぎて、あまり緊張してるとかどうなのかと考える感じではなかった」
珍しく一塁ベースへ到達する前に右手の拳を握りしめるポーズと共に雄叫びをあげた。送球が乱れる間に二塁へ進みベース上で大谷は両手を振り上げてベンチを煽った。2番のムーキー・ベッツが続く。一死二、三塁からライト前へタイムリー。大谷も生還して一気に5点を奪い、さらに8回にもアンディ・パヘスの2ランで追加点をあげて勝利を決定づけた。この回に大谷は松井裕樹と対戦。レフト前にふらっと上がる打球にスライディングキャッチを試みたジュリクソン・プロファーが捕球できず、大谷は二塁を陥れる二塁打となった。これで400塁打に到達。2001年にバリー・ボンズ、サミー・ソーサ、ルイス・ゴンザレス、トッド・ヘルトンの4人が成し遂げて以来、23年ぶり史上19人目の快挙を達成した。
そして歓喜の瞬間が訪れた。
カイル・ヒガシオカのセカンドフライがクリス・テイラーのグラブに収まった瞬間、笑顔の大谷は、静かにグランドへ歩み始めた。チームメイト、スタッフ一人ひとりとハグ。全員と喜びを共有しグラウンド内に用意された「WE OWN THE WEST」と書かれたブルーの優勝Tシャツに着替えて記念撮影。そしてフィールド内でインタビューに応じたデーブ・ロバーツ監督が、観客席へ向かって「レッツゴー!レッツゴー!」と声を張り上げた。
その後、すぐにロッカー内でシャンパンファイト。大谷は“集中砲火”を浴び、山本由伸には、バドワイザーのビールをかけた。
大谷はゴーグルをつけていなかったが、「ちょっと(目は)痛かったけれど、今後に影響にないようにやった」と笑顔で説明。
「今日決めるという気持ちで球場に来た。ホームで決められて最高です。ずっとこれをやりたいなと思っていたので幸せな気持ち」
素直に感激を言葉に表した。
その後、再度、グラウンドに「OHTANI」のロゴと背番号17が入った特製のブルゾンをはおった妻の真美子さんと愛犬のデコピンと一緒に登場。米メディアでも話題となり、TMZスポーツなどが、そのシーンの動画を張り付けて紹介。スポーツイラストレイテッド誌のドジャースページは「試合後の祝賀会で、彼と一緒にフィールドに立つのは、彼の妻、そして彼の親友(デコピン)以上にふさわしい人物はいないだろう」と伝え、アスロンスポーツによると、真美子さんがフィールド内で自撮りした写真がSNSでバズったという。
チームからはドジャースを優勝へと導いた大谷への賞賛の声が相次いだ。ロスアンゼルスタイムズ紙によるとロバーツ監督は大谷をこう称えた。
「これは、翔平が幼い頃から夢見ていたことだ」
そしてこう続けた。