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井上尚弥と2度戦った元5階級制覇王者のドネアがラスベガスでの成功に太鼓判(写真・山口裕朗)
井上尚弥と2度戦った元5階級制覇王者のドネアがラスベガスでの成功に太鼓判(写真・山口裕朗)

「破壊の意思を持つ井上尚弥はラスベガスから米国を征服しようとしている」2度戦った元5階級制覇ドネアがモンスターの5.4米防衛戦成功に太鼓判「フェザー級転向は困難だが私より適切に」

 ドネアは、2014年に消化不良の負傷判定でWBA世界フェザー級スーパー王者となり5階級制に成功した。だが、レギュラー王者のニコラス・ウォータース(ジャマイカ)との統一戦で6回KO負けを喫している。ドネアは、スーパーバンタム級に階級を戻した後に、再度2018年にカール・フランプトン(英国)とWBO世界フェザー級王座決定戦に挑んだが、判定負けを喫して、今度は2つ下のバンタム級へと階級を戻した。フェザー級挑戦の失敗の過去があるだけに、井上のフェザー級挑戦が「私より適切にできる」の言葉には説得力がある。
 ドネアはインタビューの前半で、2度にわたる井上との対戦についても振り返っている。初対戦は2019年11月のWBSSの決勝。
「まるで若い頃の自分。ライオンと戦っているようだった」
 ドネアは2回に伝説の左フックを浴びせて井上の右目上をカットさせた。この時、井上は、眼窩底骨折を負った。
「一度も傷ついたことのないモンスターを初めて負傷させたんだ」
 だが、11回に強烈なボディショットでダウンを奪われた。「10カウントだったのでは?」の疑惑のダウンだったが、ドネアはこう種明かしをした。
「多くのボクサーが立ち上がることのできなかったボディショット。あれは痛かった。カネロ(スーパミドル級の3団体統一王者サウル”カネロ”アルバレス)のようなボディ。だが、私は審判の後ろを歩いて(死角に入り)時間を稼いだ。足が動くことがわかっていたのでカウント9まで待ってすぐに立ったんだ」
 ドネアはKOこそ免れたが0-3の判定負けでWBA王座から陥落した。
 再戦は2年7か月後。WBC世界バンタム級王座を獲得してチャンスをつかんだ。しかし、今度は2回TKO負け。ドネアは「倒すか倒されるかの賭けに出た。彼に勝つには早いラウンドからいくしかないと思っていた。だが、ビッグショットを狙っていったとき、彼のスピードは予想より速かったんだ」と振り返った。
 42歳になったドネアは、現在世界ランキングからは外れているが、インタビューの最初と最後に2度「彼ともう一度踊りたい」と井上との3度目対戦を熱望した。
 そして約9分間にわたるインタビューの最後をこんな言葉で締めくくっている。
「井上よ。また戦いに来るから覚悟しておきなさい!」

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