
日本人独占のバンタム級に激震!WBA王者の堤聖也が怪我で休養王者へ…7月に暫定王者バルガスと比嘉大吾が世界戦か
バルガスの対戦候補としては、世界戦のオプションを持っている前王者の井上拓真が一番手だが、昨年10月の堤戦で痛めた負傷がまだ完治していないため辞退すると見られる。ランキングの最上位にいるのは、2位の那須川天心(帝拳)。天心もまた6月8日に有明コロシアムで同6位のビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)と世界前哨戦を行うことが発表されているため、7月の暫定世界戦は無理で、3位の比嘉が最有力挑戦者候補となっている。
比嘉は、昨年9月にWBO世界同級王者の武居に挑戦し、11回にダウンを奪うものの判定負け。試合後の会見で「やりきった」と一度は引退を表明した。だが、堤に続けて挑戦できるチャンスが舞い込んで、引退を撤回し、再起戦即世界戦というリングに立ったが、惜しくもベルトに手は届かなかった。去就については保留していたが、すでに再起の意思を志成サイドに伝えたと見られる。
比嘉は11日に大田区総合体育館で行われた井岡一翔の再戦、堤駿斗の応援のためコーナーの下に姿を見せていた。
暫定王者のバルガスは21戦19勝(11KO)1敗1無効試合の戦績を持つオーソドックススタイルの強打のボクサーファイター。リオ五輪フライ級米国代表のアマエリートで、五輪は2回戦で敗れたが、2017年にプロ転向し、2024年12月の暫定王座決定戦で、ウィンストン・ゲレーロ(ニカラグア)を10回TKOで下して暫定王者となった。天心が、昨年7月に3回TKOで倒したジョナサン・ロドリゲス(米国)をWBAの挑戦者決定戦で2度ダウンを奪い7回TKOで下している。もし比嘉との暫定世界戦が実現すれば、倒し屋同士の面白いマッチメークにはなる。
そして、この7月の暫定世界戦の勝者が、秋にも正規王者の堤との王座統一戦を行うことになる。もし比嘉がバルガスから暫定王座を奪うことができれば2人は2020年のノンタイトル戦、2月の世界戦に続く3度目の対戦に火花を散らすことになる。
バンタム級は、WBO王者の武居が今月28日に横浜BUNTAIで同級8位のユッタポン・トンデイ(タイ)を相手に2度目の防衛戦に臨み、6月8日には有明コロシアムで、WBC王者の中谷と、IBF王者の西田凌佑(六島)が統一戦を行うなど、熱く動きだしていて、世界が注目している階級となっている。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)