• HOME
  • 記事
  • 格闘技
  • WBO王者の武居由樹が5.28V2戦を前に那須川天心を「今は正直どうでもいい」と無視した理由とは…「めちゃくちゃにする」の決意
WBO世界バンタム級王者の武居由樹が28日に横浜BUNTAIで行われるV2戦を前に練習を公開した
WBO世界バンタム級王者の武居由樹が28日に横浜BUNTAIで行われるV2戦を前に練習を公開した

WBO王者の武居由樹が5.28V2戦を前に那須川天心を「今は正直どうでもいい」と無視した理由とは…「めちゃくちゃにする」の決意

 そして今回のV2、その9月のV3を乗り越えた向こう側に待望の天心戦の可能性が生まれる。天心は6月8日に有明コロシアムでWBA同級6位のビクトル・サンティリャン(メキシコ)と世界前哨戦を戦い、そのメインで2つのベルトをかけて対戦するWBC世界同級王者、中谷潤人(M.T)と、IBF同級王者、西田の勝者が返上すると見られる世界王座の決定戦にターゲットを定めている。
 来年に武居がベルトを保持して天心が世界王者になっていれば、2団体統一戦という形でこのビッグマッチが成立する。
 大橋会長も「もちろん。望まれる試合をやるのが今のボクシングの新しい流れ」と、その構想を推し進めていきたい方針を示した。
 だが、武居の眼中に天心の名前はなかった。
「先のことは全然考えていない。天心選手、堤選手とかは正直どうでもいい」
 SNSでラブコールを送ってきたWBA王者の堤聖也(角海老宝石)も同じだ。しかも、堤は目の手術を行い休養王者となるため、そもそも可能性は薄れた。
 それほどこの再起戦に集中している。
 会場は、横浜文化体育館が建て替えられモダンになった横浜BUNTAI。花形進氏が、世界タイトルを奪取するなど、数々のボクシングの名勝負が繰り広げられ“文体”の愛称で親しまれた体育館が、BUNTAIと名を変えた記念すべきボクシングのこけら落としでもある。大橋会長が、初めてボクシングを見たのが1979年7月11日の横浜文化体育館だった。堀畑道弘が日本スーパーウエルター級王者の柴田賢治に挑み10回KO勝利した番狂わせの劇的な試合。「今でも覚えている」という。 
 大橋ジムが初めて興行に参加したのもここで、八重樫のデビュー戦、ジム初の世界王者であるWBC世界スーパーフライ級王者、川嶋勝重の初防衛戦、井上尚弥のWBO世界スーパーフライ級王者時代の7度目の防衛戦も“旧文体”だった。
「自分がこの横浜を盛り上げるつもり」との決意が武居にもある。
 今回の試合に向けて作ったTシャツは、「ビンテージ風」と注文した昔のアメカジのような洒落たデザイン。ワールドチャンピオンの文字の下で、武居と八重樫がまるで対戦するかのように向いあっている。バックには地球。武居と八重樫のコンビが目指すのは真の世界王者である。

関連記事一覧