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異例のトレーナー分業体制で初の世界戦に挑む力石政法(右から2人目)。左から鈴木康弘トレーナー、岡田誠一トレーナー、一番右が大橋秀行会長
異例のトレーナー分業体制で初の世界戦に挑む力石政法(右から2人目)。左から鈴木康弘トレーナー、岡田誠一トレーナー、一番右が大橋秀行会長

力石政法が異例のトレーナー分業制で5.28横浜の世界戦へ挑む…ヒントはプロ野球…「負けたら引退」を「訂正した」理由とは?

「一発を振り回してくる相手の方が楽だけど、ヌニェスは組み立ててゴツゴツと削っていくタイプ。みんなスタミナが削れて(やられている)。スタミナでは絶対負ける気はしない。僕にそれはあてはまらない。具体的な内容は言えないが、しっかりと迎え撃つ。(パンチを)出してきたらパチンと倒すくらいの対策をしている」
 力石は多くを語らなかったが、岡田トレーナーは、「相手は最終的に出てくると思う。そうなっても対応できるように練習をしている」と言い、鈴木トレーナーも「ガンガン前へ出てくる選手。アウトボクシングでうまく前の手を使いたい」と明かす。大橋会長も「アウトボクシングをして判定で勝てればいい。判定の延長上にKOがあれば」と勝機を見ている。
 3月17日の世界戦の発表会見では「負けたら引退」「勝ったら横浜にマンション購入」と発言した。
 だが、この日は「ちょっと訂正したい」と話を始めて「負けたら引退って言いましたが、引退はしません」と撤回した。
「やっているうちに伸びているなと感じた。ランキングが下で無名でも自分よりも技術を持っている選手がたくさんいる。色々と(そういう選手の技術を)盗める。まだまだ限界はここじゃない。この試合に勝ちますが、どんな結果であれボクシングは続けます」
 そう説明し隣に座っていた大橋会長に「やらせて下さい」と頭を下げた。
「技術的に、もちろん向上したが、気持ちに余裕が持てるようになった。自分なりに追い込んでいても、まわりに選手がいて一緒にやっていると、この子たちも頑張っている、より背中を見せて頑張らないと、ともうひと伸びできる。それが当たり前となり、その積み重ねで気持ちに余裕を持てるようになった」とも言った。
 ジムの移籍に伴い、名古屋から上京した力石は、現在、横浜市内の一軒家の大橋ジムの寮で、坂井優太、田中将吾ら若手と一緒に暮らしていて、その生活や彼らのボクシングそのものが刺激になっているという。
 大橋会長も「負けたら引退」というメンタルの作り方には反対だった。
「負けたら最後だと思うと萎縮する。ボクシングは瞬間の勝負。力むと、躊躇しちゃうんだよね。負けても何度もチャンスがあるからと言えば、余裕をもってやれる。八重樫や川嶋にもそう言っていたし、いい結果が出ている。井上(尚弥)もそう。負けても次頑張ればいいと思っているから、凄いタイミングで勝負できている」
 スーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥の心構えも例に出した。

 

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