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王者のレオと亀田和毅は共に計量を一発でクリア
王者のレオと亀田和毅は共に計量を一発でクリア

「亀田家最後の戦いよ」亀田和毅は「2対8」の不利予想を覆せるのか…井上尚弥に負けたフルトンがヒント…王者レオ陣営は「ローブローに注意して」とレフェリーに“反則行為”の厳重監視を要請

 プロボクシングのIBF世界フェザー級タイトルマッチ(24日・大阪市住之江区インテックス大阪)の前日計量が23日、大阪市内のホテルで行われ、王者のアンジェロ・レオ(31、米国)と挑戦者で同級1位の亀田和毅(33、TMK)の両者共にリミットの57.1キロを下回る57.0キロで一発パスした。戦前予想は英大手ブックメーカーが2対8のオッズをつけるなど絶対不利。それでも6年ぶりの世界挑戦となる亀田は「必ず勝つ」と自信をのぞかせ、ルールミーティングでは、レオ陣営が亀田のローブローなどの反則行為の厳重監視をレフェリーに要請するなど、敵地での王座防衛に神経質になっている一面も見せた。亀田は勝てるのか。

 「3階級制覇を必ずする」

 大阪難波のホテルモントレ・グラスミア大阪の21階に設けられた計量会場が騒然となった。王者のレオ、挑戦者の亀田が入場曲と共に呼び込まれると、両陣営の取り巻きがそれぞれ「ニュー!(新しい王者だ)」「ステイ!(防衛だ)」と大声をあげたのだ。両者共に一発でクリア。約10秒のフェイスオフは、亀田の方から笑みを浮かべて右手を差し出して、一転、友好的なムードで終わった。
 会見では王者のレオが「接近戦で打ち合い、火花の散る激しい打ち合いをしたい。自分の戦いをするだけ。亀田に対応して勝ちを手にしたい」と豪語。
 亀田も「明日ベストで上がって3階級制覇を必ずする。(レオは)2階級制覇でフェザー級で一番強いと言われている選手に挑戦ができるのは凄く嬉しい。すべての力を出し切って必ず勝つ」と返した。
 亀田にとって2019年の米国でのレイ・バルガス(メキシコ)とのWBC世界スーパーバンタム級王座決定戦に判定負けして以来、6年ぶりの世界戦。
 それでも「いうほどのプレッシャーはない。いつも通りの感じ。どれだけ通用するか自分でも楽しみ」と悲壮感はなかった。
 ただ戦前の下馬評は亀田が圧倒的に不利だ。
 26戦25勝(12KO)1敗の戦績を持つ2階級制覇王者のレオは強打の好戦的ファイター。前戦で“フェザー級最強”の評価を受け、阿部麗也(KG大和)を8回TKOで倒しているアルベルト・ロペス(メキシコ)を10回に左フック一発で大の字にした。ロペスはその一打で脳に傷害が発生したほどだった。その左フックだけでなく、右のストレートに左右のボディに殺戮のパワーを秘める。
 元世界王者クラスが、次々とYoutubeで亀田不利説を伝え、兄で元2階級制覇王者の亀田大毅でさえ、Youtubeで「兄弟なんで予想はできないんですよね」としながらも「賭け率とか一歩引いたら6対4、7対3でレオだと思いますよ」と発言していた。実際、英大手ブックメーカー「ウイリアムヒル」のオッズは、レオの勝利が1.17倍で、亀田勝利が4.75倍。約8対2の掛け率だ。さらに細かくみればレオのKO&TKO勝利が3.5倍、判定勝利で1.57倍 和毅のKO&TKO勝利が13敗で、判定勝利が7.5倍となっている。
 だが、和毅はそんな声や予想など気にならない。
「予想はみんなできますからね。なにを言おうが、こっちは、やることは一緒なんで。それを聞いたからどうするもない。やってきたことをリングで出しきる、悔いのないようにやる。それだけ」 
 父の史郎トレーナーも興奮気味にまくしたてた。
「相手は一番強いと言われているチャンピオン。やりやすいよ。強いか、強くないかはリングに上がればわかること。みんなが(和毅が)やられるというねんやったら、それでええやん、結果は明日わかるわけやん」
 そして戦略の一部を漏らす。
「12ラウンド戦って確実にポイントを取ったらええねん。それで結果倒れたら、倒れたでええ。それしかやっていない。1ラウンド、1ラウンド、丁寧にちゃんとして(コーナーに)帰ってきたらええ。そのスタミナは持っている」
 徹底したポイントアウトの判定狙いのボクシング。そこにしか勝機はない。殴り合えば倒される。

 

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