• HOME
  • 記事
  • モータースポーツ
  • 「レッドブルはドライバー交代の可能性を排除していない」スペインGPを前に角田裕毅に突きつけられた厳しい現実…姉妹チームの“好調”ハジャーが交代要員?
スペインGP直前のファンイベントでのレッドブル角田裕毅。スペインでも大人気だ(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
スペインGP直前のファンイベントでのレッドブル角田裕毅。スペインでも大人気だ(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「レッドブルはドライバー交代の可能性を排除していない」スペインGPを前に角田裕毅に突きつけられた厳しい現実…姉妹チームの“好調”ハジャーが交代要員?

 F1の今季第9戦、スペインGPが今日30日にバルセロナのカタルーニャ・サーキットで開幕する。レッドブルへ緊急昇格して7戦目を迎える角田裕毅(25)は、前戦のモナコGPで惨敗しているが「自信を失ったわけじゃない」と、スペインGPでの巻き返しを誓った。だが、ここまで最高位が9位という現状に、チームのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮ヘルムート・マルコ氏(82)が、シーズン中のドライバー再編成を示唆するなど、角田が崖っぷちに立たされている状況が浮き彫りになった。

 「自信を失ったわけじゃない」

 ポジティブだ。
 スペインGPの開幕を前にしてF1公式サイトが角田のコメントを伝えた。
「マシンへの理解は少しずつ進んでいる。僕はレーシングブルズで過ごした4年間で何が起こるのかを正確に理解して、体が自然に反応して速く走れるようになった。そういうもの(速さ)は徐々に身につくものであり、要は経験がモノを言う。イモラでは自分がどれだけマシンへの理解が浅かったのかを痛感した。だからと言って、自信を失ったわけじゃない。ただ、ゆっくりと積み上げていく必要があるだけだ」
 公式予選1回目(Q1)で大クラッシュを喫した第7戦のエミリア・ロマーニャGPを引き合いに出しながら、角田は操作が極めて難しいとされる今季のレッドブルのマシン、RB21に慣れるにはまだ時間が必要だと訴え、自信は失っていないと強調した。
 しかし、セカンドドライバーにも明確な結果を求める強豪レッドブルは待ってくれない。米国のモータースポーツ専門メディア『AutoRacing1.com』は「マルコはレッドブルのドライバーの新たな刷新を排除しない」と題した記事のなかで、シーズン中のドライバーの再編成を示唆する重鎮マルコ氏のコメントを伝えた。
「レッドブルではパフォーマンスが最も重視され、それが契約にも関係してくる。ローソンは明らかに負のスパイラルに陥っていた。モナコで8位に入賞した彼は自信を回復させつつあるが、フェルスタッペンの隣にいたままなら成功しなかっただろう。通常、ドライバーの将来について話すのは、夏休みが明けてからになる。だから、この段階で何かを言えばすべてが時期尚早になる。しかし、ただひとつ言えるのは、レーシングブルズのルーキーが将来、グランプリの勝者になる可能性を持っているということだ」
 マルコ氏が称賛したレーシングブルズのルーキーとは、アイザック・ハジャー(20、フランス)。前戦のモナコGPで自己最高位となる6位に入賞して獲得ポイントも「15」に伸ばし、ドライバーランキングで10位に浮上した。
 対照的に角田はモナコGPの公式予選2回目(Q2)で敗退。12番手でスタートした決勝でも“抜けない”公道コースに終始苦しめられ、ピットイン戦略も裏目に出る形で、完走した18台のなかで17位という惨敗に終わっている。
 角田を緊急昇格させた日本GPを前に、マルコ氏は「今シーズンが終わるまで、ユウキのシートは安泰だ」と明言していた。
 しかし、同メディアは、このマルコ氏のコメントを踏まえながら、角田が、たった2戦で降格となったリアム・ローソン(23、ニュージーランド)と同じ道をたどろうとしていると解説した。
「ヘルムート・マルコは今シーズンが終了する前に、レッドブルのドライバーを再び入れ替える可能性を排除していない。当初はフェルスタッペンとローソンをフルシーズンで起用する予定だったが、ルーキードライバーはわずか2戦でレーシングブルズへ降格した。ローソンと入れ替わったツノダだが、彼を支援してきたホンダは来年からアストンマーティンへ乗り換える。そして、マルコは最近になって、プレッシャーがかかる状況下での日本人ドライバーの脆弱性を批判し始めている。現時点で明らかなのは、レッドブルが持つ4つのF1シートのさらなる動きの扉をマルコがまだ開いたままにしている、ということだ」

 

関連記事一覧