
森保監督がゴールラッシュのインドネシア戦でテストした中で最も存在感を示したのは誰だったのか…鈴木淳之介が好守に爪痕
豪州戦で負傷交代した町田浩樹(27、ユニオン・サンジロワーズ)と渡辺剛(28、ヘント)の両DFが代表を離脱。追加招集もなく、リザーブのDFが関根だけという状況で、鈴木淳はある決意を秘めてキックオフの笛を聞いた。
「最初から90分間プレーするつもりでした。こういう舞台でもっと持ち味を出してもよかったですけど、平均点くらいのプレーはできたと思います」
岐阜県の強豪校、帝京大可児から湘南に加入して4シーズン目。昨シーズンの途中まではボランチを主戦場としていたが、すべて途中から投入される形で、計9試合の出場にとどまっていた。迎えた昨年6月。最終ラインへのコンバートとともに、サッカー人生で最初のターニングポイントが訪れた。
最初は3バックの真ん中でJ1初先発を果たした鈴木淳は、その後に左センターバックに定着。今シーズンはチームのフィールドプレーヤーでただ一人、リーグ戦で全19試合に先発。Jリーグが試合ごとに発表している個人スタッツの累計で、タックル総数63で3位に、デュエル総数71で2位と上位につけている。
昨シーズンの数字はそれぞれ30位と42位だった。身長180cm体重78kgの体に宿すポテンシャルを一気に解放させ、現在進行形で急成長を遂げている軌跡が、年代別の日本代表にいっさい無縁だった鈴木淳が、今シリーズで抜擢された理由となる。
短期間の間に大きく変わった自らの立ち位置を、鈴木淳もこう語る。
「コンバートというきっかけがあって、そのなかで自分のプレーとマッチしてA代表まで来られたと思うので、これからも自分の持ち味をどんどん出していきたい」
森保ジャパンでキャプテンを務める遠藤は、湘南時代は最終ラインやボランチなど複数のポジションでプレー。デュエルの強さとボール奪取力の高さを武器に、独ブンデスリーガのシュツットガルト時代からボランチで高い評価を獲得し、いまでは英プレミアリーグを制したリバプールで2シーズン目を終えた。