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日本サッカー協会と母校・中央大学の「アスパス!協働プロジェクト」のプロジェクトリーダーを務め終えた中村憲剛氏(中央大学多摩キャンパスにて)
日本サッカー協会と母校・中央大学の「アスパス!協働プロジェクト」のプロジェクトリーダーを務め終えた中村憲剛氏(中央大学多摩キャンパスにて)

なぜ森保ジャパン入閣候補の中村憲剛氏は”指揮官”を目指すのか…最短2024年からJリーグの監督就任可能

 第2次森保ジャパンのコーチ候補として報じられている元日本代表MF中村憲剛氏(42)が16日、東京都内で取材に応じ、日本サッカー協会(JFA)が公認する最高位の指導者資格、S級ライセンスの取得を目指して、来年度の養成講習会を受講する準備を進めていることを明らかにした。早ければ2024シーズンからJクラブの監督を務める資格を得る。代表入閣に関しての明言は避けた憲剛氏だが、2021年1月の引退直後から志してきた指導者の道には「しっかりとまい進していきたい」と力を込めた。

 「現役の間に指導者ライセンスを取りにいくのは嫌だった」

 

 セカンドキャリアの中心に位置づけてきた指導者、そのなかでも最高位となるS級ライセンスの取得へ向けて、憲剛氏がいよいよスタートラインに立つ。
 JFAが実施するS級コーチ養成講習会。来年度分を受講する上での前段となるトライアルへ、東京都内で取材に応じた憲剛氏は「応募しました」と明らかにした。
 現状の指導者ライセンス制度では、最高位のS級取得へいきなり挑むことはできない。C級からB級、A級ジェネラルと順次ライセンスを取得する行程が求められているなかで、昨年末に引退した元日本代表DF槙野智章氏(35、前ヴィッセル神戸)に代表されるように、現役のうちにB級ライセンスまでを取得しているケースが少なくない。
 しかし、憲剛氏は異なるアプローチを選んだ。
 中央大から2003シーズンに加入した川崎フロンターレひと筋で、18年間に及んだ現役を終えた2021年元日の時点で何も取得していなかった。
「引退する前にB級まで取得しておけ、という話になるんですけど、ちょっと嫌だったんですよね。現役でいる間に指導者ライセンスを取りにいくのは、何だか現役の終わりを考えることになる。選手心理として二の足を踏んでしまった感じでした」
 現役でいる間はプレーだけに集中した理由をこう明かした憲剛氏は、引退直後からいま現在までを最短距離で駆け抜けてきたとも振り返った。
「引退した年の3月末までにC級ライセンスを取得すれば、次の年度からはB級ライセンスの養成講習会を受講できたので」
 2021年度はB級を、今年度にはA級ジェネラルを順次取得した。以前はB級取得後に1年以上の指導実績が求められたが、JFAの技術委員会は2021年11月に、日本代表で20試合以上の出場歴を持つ受講者を対象に指導実績の免除を決めている。
 日本代表として68試合に出場した憲剛氏も、もちろん指導実績を免除される対象になった。30代や40代前半の国際経験豊富な指導者がどんどん台頭して、日本サッカー界をけん引していってほしいと望む技術委員会の視線の先に、2020年8月に引退した元日本代表DF内田篤人氏(34、前鹿島アントラーズ)が、そして憲剛氏がいた。
 もっとも、A級ジェネラルから先はさらに狭き門が待つ。
 前述したように、まずはJFAが主催するS級コーチ養成講習会のトライアルに参加する必要がある。トライアルは実技実践と面談で構成され、成績優秀者が晴れてS級コーチ養成講習会を受講できる。しかも定員は16人から20人と少数精鋭となっている。

 

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