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球界大御所が評価したのは藤川監督が率いる阪神。阿部巨人には厳しい見解(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
球界大御所が評価したのは藤川監督が率いる阪神。阿部巨人には厳しい見解(写真:Imagn/ロイター/アフロ)

「もう優勝は阪神だ。巨人は立て直し策が見えてこない」球界大御所が“忖度なし”のリーグ戦再開展望

 また打線についても広岡氏は「阪神は打線もいい。1番から5番まで固定できているのは阪神だけだろう。どのチームより得点能力が高い。比べて巨人は沈みこんでしまっている」と阪神に軍配をあげた。
 交流戦のチーム打率は阪神が6位の.246で巨人ばブービーの.227。本塁打数も阪神が12本で巨人が7本。
「佐藤の3番は論外だと思っていたが、途中で藤川が4番の森下と打順を入れ替えたことが成功している。佐藤はまだまだ信頼が置けないが、調子に乗ったらボンボン打つ。岡本、村上といった対抗馬もいないし、ホームラン王は取るだろう。ただ阪神の中心打者は森下だ。佐藤と違ってよく考えている。考えすぎと力んで大振りになることが問題ではあるが、球界を代表する打者になれる。近本、中野の1、2番コンビの出塁率も高い。機動力を使えるところも阪神の強みだろう」
 佐藤は交流戦で、6本塁打を放ち、5本塁打の横浜DeNAの筒香、ロッテの山本を1本差で突き放して交流戦での本塁打王を獲得した。阪神の交流戦本塁打王は2022年に7本塁打をマークした大山以来、2人目。最初のカードの日本ハム3連戦では、1試合2発を含む3本塁打と量産して18日のロッテ戦の一発で19号である。また打点も12稼ぎ、現在49で森下と並び、打点でもリーグトップに立った。
 森下は、交流戦中に力んでの引っ張りが目立ち、16打席ノーヒットで、打率.176と低迷しながらも、打点は2位の13。終盤は逆方向への打球も増えて復調の兆しを見せた。
 そして交流戦での 阪神の盗塁数19は中日と並んでトップ。足で相手バッテリーに揺さぶりをかけて攻略の糸口をつかむゲームが目立った。一方の巨人は半分にも満たない8だ。
「巨人は泉口くらいしか若手が育っていない。岡本が戻ってきても大きな起爆剤にはならないだろう。キャベッジは相変わらずボールばかり振っている。ベンチは一体何をしているのか」
 広岡氏の指摘通りに巨人で交流戦の打率ランキングの最上位にいるのは丸の.279で20位、続いて泉口の.268が24位。キャベッジは、交流戦16試合で打率.143と急降下、本塁打は1本もなかった。
 そして広岡氏はリーグ戦の再開の展望をこうまとめた。
「阪神がチームとして最もバランスが取れている。加えて追いかけるチームがない。巨人は投打に問題を抱えていて、横浜DeNAは、打線が売りのチームが打てなくなっていたし、広島はチームの好不調の波が大きい」
 阪神は27日から神宮に乗り込んでのヤクルトとの3連戦、巨人は東京ドームで横浜DeNAを迎えての3連戦からリーグ戦が再開。そして7月1日から甲子園でTG両軍が激突する。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)

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