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阪神藤川監督のベンチワークのミスが流れを失う原因に(資料写真:Imagn/ロイター/アフロ)
阪神藤川監督のベンチワークのミスが流れを失う原因に(資料写真:Imagn/ロイター/アフロ)

阪神“失策サヨナラ負け”の裏に「流れを変えた」藤川監督の采配ミス…不必要だった重盗サインとサトテル三塁→右翼コンバートの影

 一死となってヘルナンデスのセンター前タイムリーで1点を追加したが、もし森下の走塁死がなければ、ビッグイニングを作ることができていたのかもしれない。
 同評論家が、もうひとつ流れを変えたミスとしてピックアップするのが、6回のダブルスチールの失敗だ。
 6回二死二、三塁で、8番打者の坂本を打席に迎えてヤクルトベンチは、勝負か、申告敬遠かの判断をランバートに委ねた。セオリーで言えば、坂本を申告敬遠で歩かせて投手の村上と勝負の場面。結果、ランパートは、坂本との勝負を選ぶが、その初球、外角へ大きく外れたスライダーを古賀が止めることできず(記録はパスボール)、阪神がまた相手のミスで追加点を奪った。
 ヤクルトは3点目を失ってから坂本を申告敬遠するというチグハグなベンチワーク。藤川監督は、そのドタバタにつけこみたかったのか、二死一、三塁から、打者村上の2球目に、一塁走者の坂本にスタートを切らせたのだ。狙いはダブルスチールだったのだろう。
 しかし、古賀は二塁へ疑投。それにひっかかって飛び出した三塁走者の小幡が、三本間に挟まれて、その仕掛けは不発に終わった。
 前出の評論家は、「次の回は近本から始められるので村上で終わっていいイニング。狭い神宮での3点は、セーフティーリードにならず、結果、7回に2本の本塁打で同点に追いつかれるわけでもう1点欲しい気持ちがわからないでもないが、まったくやる必要のない作戦だった。こういう無駄な作戦をやると、ゲームの流れが変わる」と、このベンチの作戦のミスが、7回の悪夢の同点劇への導火線になったという見方をしていた。
 村上は7回一死から並木にレフトへソロを浴び、二死一塁となってオスナにもレフトへ同点2ラン。フォークのすっぽ抜けだった。球数は100球を超えていた。
 ここまで二度の満塁のピンチを切り抜けたが、珍しく3四死球を与えるなど、いつもの村上のコントロールはなかった。外野へのフライアウトが9個。ホーム上でスピン数が増すのが、村上の特徴ではあるが、裏を返せば、この外野フライの多さは、ボールが高めの浮いていた証でもあり7回の続投判断にも疑念は生じた。
 村上、サンタナ、長岡、塩見、丸山ら主力打者を大量に怪我で欠く今の“瀕死状態”のヤクルトは、勝っておかねばならない相手。横浜DeNAを叩き、2位に浮上した巨人、横浜DeNA、広島の3球団が、勝率5割で並び、阪神だけが貯金「7」をキープしている状況ではある。しかし、ベンチワークのミスで、勝ちゲームを落とす黒星を重ねていれば、ゲームだけではなくペナントレースの流れを失うことにもなりかねない。

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