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阪神前監督の岡田顧問がTV解説で指摘した巨人阿部監督の犯したミスとは?(資料写真・黒田史夫)
阪神前監督の岡田顧問がTV解説で指摘した巨人阿部監督の犯したミスとは?(資料写真・黒田史夫)

「何をしてんのかなあ」阪神の岡田顧問がTV解説で指摘した“神の手スラ”への抗議で退場処分となった巨人の阿部監督が犯したミスと「場内への説明がいる」審判団への提言

 ネクストバッターズサークルには、代打の糸原の姿が見えていたが、正式な代打のアナウンスはされていなかった。なのに阿部監督はバルドナードの交代を告げると同時に抗議を行ったのである。藤川監督は代打を送らずに豊田をそのまま打席に立たせた。結果はライトフライに終わったが、阿部監督の冷静さに欠いたミスだった。
 ただ岡田顧問は、「ただのアウト、セーフの問題じゃないよね。審判がマイクでお客さんに説明をしていたら(阿部)監督も退場にならないよ。一言でも“甲斐捕手のタッチをかいくぐって、森下選手の手が早かった”とかね」と、場内に説明をしなかった審判団の対応に苦言を呈した。
 そして「ほんとに大事な場面だから。オレでも、なんで?って言うかもしれない。監督にしたら、あまりにも、アウトからセーフに簡単に変わりすぎ。それでいいのかな、リクエストって。これは大きいですよ」と阿部監督の心情にも理解を示した。
 岡田顧問が審判団の場内への説明の必要性を提言したのには理由がある。阪神監督時代の2023年8月18日の横浜DeNA戦で、熊谷の盗塁を京田がベースの前に足を入れて防いでアウトにしたプレーがあり、この時は、場内アナウンスで審判団が状況を説明した。岡田顧問は、退場を避けるため、冷静に抗議ではなく「ファンの声援で説明が聞き取れなかった」として、もう一度、説明を求め、その機会を利用して「走塁妨害ではないか」と規定の5分間のギリギリまで実質的な抗議をしたことがある。結局、この抗議がきっかけとなり、本塁上以外においてもコリジョンルールが適用されるようにルールが改正された。
「オレのときは、なんでマイクで言うたんかな。不思議」
 その経験のある岡田顧問が審判団に注文をつけたのも当然だろう。
 勝敗を分けた森下の“神の手”スライディングとなったが、岡田顧問はそのピンチを作った巨人のベンチワークのミスを指摘した。
「中川は連投やね。2人(近本、中野)だけかもしれない。昨日もやったからね。普通なら大勢ですよ。先攻だからね。温存してもしょうがない。0-0の展開は、先攻もいいピッチャーからいかないと。昨日は1点負けている展開でいった(森下のところで右投手に交代)のに(采配が)チグハグ」
 前日のゲームでは、巨人は1点ビハインドだったが、近本、中野の左2人に打順が回る7回から左腕の石川を投入し、二死二塁で、右打者の森下を迎えると船迫にスイッチする小刻み継投で一塁ファウルフライに打ち取っていた。だが、この日は、二死を取ってから森下のところでも、中川をそのまま続投させ、森下、佐藤に連続四球を与えた。大山のところで田中瑛に交代したが、ひとつ後手を踏み、最悪の結果につながることになった。岡田顧問が指摘する通り、8回の頭から大勢を投入していれば、まだ勝負はその先にもつれていたのかもしれない。

 

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