
なぜ阪神は怒涛の8連勝で独走態勢に入ることができたのか…「巨人、横浜DeNAら他のチームがだらしなさすぎる。もうこれで逆に阪神が優勝しなければおかしい」と球界大御所がズバリ見解
阪神が6日、横浜スタジアムでの横浜DeNA戦に5-1で快勝して今季最長の8連勝、貯金を今季最大「15」とした。森下翔太(24)が14号2ラン、15号ソロを放ち打点王争いでトップに立つと、佐藤輝明(26)も本塁打争いで独走となる21号ソロのクリーンナップが揃い踏み、投げては伊藤将司(29)が7回1失点の好投で3勝目。投打が嚙み合った。2位の広島と6.5ゲーム差をつけるなど、阪神は独走態勢に入ったが、巨人OBで、ヤクルト、西武で日本一監督となっている球界大御所の広岡達朗氏(93)は「巨人、横浜DeNAら他のチームがだらしなさすぎる」と苦言を呈した。
森下が2年ぶりの1試合2発の大爆発
阪神の勢いが止まらない。
巨人に続き横浜DeNAにも3タテを食らわせての今季最長となる8連勝。試合後のハマスタに居残ったのはほぼ阪神ファンだけ。1試合2本塁打を放った森下のヒーローインタビューに耳を傾け、SNSでは「あかん、阪神優勝してしまう」の定番ワードが飛び交った。
今季4試合対戦して0勝2敗、防御率1.40と一度も攻略できていなかった“天敵”ジャクソンから森下が1回一死一塁で先制パンチを浴びせた。カウント2-2からベンチは中野にスタートを切らせていた。森下は、ジャクソンが「今日の状態は悪くなかったのですが、何球か変化球が甘く入ってしまったところをホームランにされてしまいました」と悔やんだ、ど真ん中のチェンジアップを豪快にレフトスタンドへ運んだ。「狙ってはいなかったが、何とか後ろにつなげる気持ちで、打球に角度がついてくれたのでよかった」。さらに続く佐藤も右中間へ21号。3、4番のアベックアーチで一気に流れを引き寄せた。
圧巻だったのは8回の森下のダメ押しの15号である。
カウント2-2から中川のフォークをしっかりとためこんでバットに乗せた。打球はバックスクリーンにまで飛んでいった。その1球前は同じフォークを空振りしていた。
「かなり落ちていたので、あのボールがマックスかなと自分の中で考えて、ポイントを近くにしてうまく(バットの)芯に乗せることができた」
この修正力が打点を56に伸ばして、佐藤に2点差をつけ、打点王争いでトップに立つ森下が進化している部分のひとつ。球界大御所の広岡氏も、「森下は考えて打っているのがよくわかる。打者としての素材は佐藤よりも上ですよ。球界を代表する打者になっていく選手」と絶賛している。
1試合2本塁打は2023年9月1日のヤクルト戦(神宮)以来となる2度目の経験。
「あまり打ててなかったんで、これからもっともっとこういう試合が増えるように頑張りたい」
森下、佐藤の3、4番が連続アーチを描き、5番の大山も3回二死二塁からタイムリー二塁打を放つクリーンナップの揃い踏み。そして投げては伊藤将が牧に許した14号ソロの1点だけで踏ん張り8回石井、9回岩崎の盤石リレーで横浜DeNA打線を封じ込んだ。
「(佐藤)テルさんと大山さんにつなげば、何かを起こしてくれると思うので、そこのつなぎ役に自分がなって束となって攻撃したい。(チームは)すごく良い雰囲気。ピッチャーからリズムを作って野手も得点をとってタイガースらしい攻撃ができているかなと思うので、引き続きやっていきたい」
森下の言葉が阪神の強さを物語っている。