
すでに来年5月の戦いに火ぶた?!井上尚弥は中谷潤人の統一戦の感想を聞かれ「受けた刺激はこれといってない」…ただフェザー級転向を先送りした理由は「中谷選手を高く評価しているから」
中谷は6月8日に行われたIBF王者の西田凌佑(六島)との統一戦に6回終了TKOで勝利した。
そのリングサイドに井上はいたが、その試合を見て、フェザー級転向の先送りを決めたわけではなく、ラスベガスで路線変更は決まっていたという。
「(西田戦を見て)受けた刺激?まあ、これといってない。あれ(1ラウンドの猛ラッシュ)もそういう戦いを選択しただけ。だからどう思った?どうも思わない。ただ彼のボクシングは全体的にレベルが上がっている。自信を持ってボクシングをしている」
中谷は、西田戦では、1ラウンドから勝負を挑み、西田の肩を破壊して目を腫らして塞ぐキラーぶりを発揮した。ただ一方で、西田のパンチを被弾するシーンが見られ、一発で仕留めきることができないなどの問題もさらけだした。
モンスターは、その試合後に「スーパーバンタム級戦線へようこそ こんな強い日本人がいたらワクワクしちゃうよな」とXに投稿していたが、この日は多くを語らなかった。
すでにモンスターの中で戦いの火ぶたが切られている証かもしれない。
減量の苦しい中谷がスーパーバンタム級に上げたきた際、それらの課題が一気に解消され、さらに強くなってくる可能性がある。その中谷戦に万全の状態に臨むには、やはり階級の上げ下げは無謀なのだ。
そしてその中谷戦の前にピカソ戦がある。無敗のピカソは5月4日のラスベガスでの対戦相手だったが、周囲が恐れをなして「逃げた」といういわくつきの相手。アフマダリエフに比べると、怖さのない相手だが、「不足では?」聞くと、「不足と言われても仕方がない。スーパーバンタム級に残る以上」と返した。
ピカソは、7月19日に米国で4年ぶりに世界戦に挑む元6階級制覇王者、マニー・パッキャオ(フィリピン)のアンダーカードで、亀田京之介(TMK)と調整試合を行う。その試合でモンスターの挑戦者にふさわしいかどうかが判明するだろう。
井上は5月のカルデナス戦の前は「これに勝てばアフマダリエフ戦が決まることがモチベーションになっていた」というが、今回はこの先の構想は、一切、頭の中から排除するという。
「12月のサウジ興行、その先の中谷選手との戦いもぼんやりと描かれている。だが、それは頭の中から消してこの1戦にしっかりと取り組んでいきたい。」
ドリームマッチを語るのは最強の挑戦者を退けてからになるのだろう。