
「阪神の独走でも巨人、広島、横浜DeNAは2位、3位狙いのつまらん戦いはするな!」猛虎が藤川監督の継投ミスを帳消しにする中野、森下、佐藤の3連続適時打で11連勝…貯金独占の9.5差に球界大御所が緊急提言!
続く佐藤も森下の一打に刺激されたのだろう。149キロの外角高めのストレートをとらえ、ワンバウンドで左中間フェンスを越えるエンタイトルツーベースでさらに1点を加えた。打点を60として、本塁打、打点部門で単独トップに立った。阪神はビッグイニングとなる5点をスコアボードに刻んだ。
広岡氏には、「阪神は巨人と違って1番から5番まで打線が固定されていることで打線がつながる。監督の采配ミスが、選手の個々の仕事で帳消しにされるチームが本当に強いチーム」との持論があるが、11連勝の阪神は、その球界大御所の理論に沿う勝ち方をしている。
3点のリードをバックに7回は及川が3人でピシャリ。8回には一死から石井がファビアン、坂倉、秋山に3連打を浴びて一死満塁とされた。だが、モンテロがバットを折って悔しがるほどのギリギリのストレートを外角低めに投じて見逃しの三振。続く代打の中村奨も真っ直ぐで押し込んで三塁ファウルフライ。
阪神と広島の両球団のOBである“レジェンド”リリーバーの江夏豊氏から、「たとえ走者を出しても、3点差があれば2失点。2点差があれば1失点で抑えることが、リリーフの仕事。それを計算してあえて走者を出すこともある」という話を聞いたことがあるが、石井は、そのリリーバーの鉄則を守った。9回は岩崎が、先頭の途中出場の上本にヒットを許すも、無失点に抑えて阪神が6-3で勝利した。
スポーツ各紙の報道によると、藤川監督は「現状で満足していない選手たちがグラウンドでその表現をしている。非常にいい状態」と、逆転劇を演じたことに満足気。一方、44年ぶりの同一シーズンでの阪神戦8連敗という屈辱の記録となった新井監督は、「毎日、厳しい戦いが続くけど、しっかりと頑張ってくれていると思う。また明日頑張りたい」と、懸命にコメントを絞り出したという。
これで阪神は2位の巨人と9.5ゲーム差。2位巨人、同率3位の広島と横浜DeNAがいずれも借金「1」で、阪神が“セ界”の貯金を独占している完全な独走態勢に入った。
広岡氏が緊急提言をした。
「クライマックスシリーズの可能性が残っているが、私はあんなものは認めていない。2位、3位狙いなんてつまらん野球をしてもらいたくない。巨人、広島、横浜DeNAの3球団は最後まで阪神をターゲットに戦うべきだ」
阪神は、今日11日から甲子園で最下位のヤクルトと3連戦。どこまで連勝が伸びるのだろうか。初戦の先発はハーラートップ8勝の村上だ。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)