
え?なぜ?RIZINファイター平本蓮が「今週世界王者になる男」と名門帝拳“秘密兵器”高見享介に太鼓判…直前会見ではトラッシュトークでWBA王者が思わず「ユーアークレイジー!」
プロボクシングのトリプル世界戦(7月30日・横浜BUNNTAI)の直前会見が28日、横浜市内のホテルで行われ、WBA世界ライトフライ級王者のエリック・ロサ(25、ドミニカ共和国)に初挑戦する同級1位の高見享介(23、帝拳)が「6ラウンドKO」の予告を押し通すトラッシュトークを繰り広げて場を盛り上げた。注目を浴びたのは、着用していたそのTシャツ。総合格闘家でRIZINで活躍中の“問題児”平本蓮(27、剛毅會)から3週間前にプレゼントされたもので、貴重なアドバイスをもらったという。意外な2人の組み合わせだが、試合当日には応援に駆けつける平本は「今週世界王者になる男」と太鼓判を押した。
6ラウンドKO宣言を巡って激しい口論
プロ10戦目で世界へ初挑戦する23歳の高見がトリプル世界戦の公式会見でいきなりトラッシュトークを繰り広げた。まず口火を切ったのが迎え討つ2階級制覇王者のロサ。高見は公開練習で6ラウンドKOを予告していたが、「高見は6ラウンドでKOすると言っているそうだが、それは大きな間違いだ」と仕掛けてきたのだ。
高見も負けていない。
「凄く僕が6ラウンドで倒すのを警戒しているみたい。意外とクレバーに戦えるんだというのを見せつつ6ラウンドで倒したい」
すると、今度は、ロサが2年前から指導を受けていて、今回もラスベガスキャンプでつきっきりでトレーニングを担当したイスマエル・サラス・トレーナーが援護射撃。「ひとこと言わせてもらえば」と前置きをして「KOを狙ってくる選手は必ずガードが下がる。もしKOを狙うなら気を付けて下さい。私達はそこをついていく。(高見は)リングで寝ることになるでしょう」と、やり返したのだ。
サラスは元4階級制覇王者、井岡一翔(志成)とタッグを組んでいることでも知られ、日本人ボクサーの特性を知り尽くしている。
だが、その発言を受けた高見は、ニコッと笑い「めちゃくちゃガードを空けていきたいと思います」と挑発した。
するとロサも、不敵な笑みを浮かべて再び「KOを狙う時は気を付けて下さい。もしかたら、その(6)ラウンドに私がKOするかも」と受けて立った。
なかなかのトラッシュトークだった。
名門帝拳の秘密兵器と言われる高見は、本田明彦会長が「私が見てきたボクサーの中で最も生意気な選手。(那須川)天心以上」という珍しいキャラ。初体験となる世界戦の直前会見でも物怖じなどしない。
さらに会見中に隣に座っているロサから、ツンツンと肩をつつかれて、「ユーアークレイジー」と話しかけられた。
「絡んでくるんですよ。苦笑いしかできなかったですが、お互い気持ちが高まって自信満々の2人の戦いが見れるのは、楽しみです」
一方のロサは「クレイジー」と呼びかけた理由を「私をKOするなんてまったくクレイジーな話だ」と説明した。
高見はそう呼ばれて「なおさら倒しにいきたい気持ちが強くなった」という。
ロサは、プロキャリアは8戦しかないが、豊富なアマキャリアを持ち、プロ4戦目でWBA世界ミニマム級暫定王座を獲得し、昨年12月に2階級制覇に成功したテクニシャン。そのファイトスタイルが元6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)に似ているため、「ミニパックマン」の異名がある。この日は、「ミニパックマン」のロゴが入った豪華ペンダントを付けていた。
誇り高き王者は、終始余裕の笑顔だったが、名も無き若手ボクサーにコケにされて我慢がならなかったのだろう。
さらに会見後の写真撮影中には、高見がロサが肩からかけているWBAベルトを指差してジェスチャーで「それは僕がもらうから」と伝えた。サラストレーナーが笑って高見に握手を求めにきたが、怖いもの知らずのやりたい放題だった。