
「ストレートに力が戻っている。文句のつけようのない経験があるんだからそのうち勝てる」“辛口”の巨人大物OBが門脇の痛恨失策で日米通算199勝目を逃したマー君の大記録達成に太鼓判?!
だが、田中はベンチ前で門脇に対して「ごめんな」と意外な声をかけた。
スポーツ各紙の報道によると田中は「ゲームを通していい守りに本当に助けられていた。1点を失った後になんとかカバーして抑えたいという思いが強かった。リードしたまま降りなければいけない。後続のピッチャーに負担をかけて申し訳ない」とコメントしたという。
上林、ボスラーを抑えていれば、門脇のミスも帳消しになっているところだった。だからマー君は、敗戦の責任を負わせることになった門脇に「ごめんな」と声をかけたのである。
その気持ちがあれば偉大なる記録は、いずれ手にすることができるだろう。
広岡氏が太鼓判を押す。
「田中は、楽天(2013年)で24勝0敗という記録を作りヤンキースでエースを張った男だ。文句のつけようのない経験を持っているんだからそのうち勝てるよ」
広岡氏は、楽天を自由契約となった田中と巨人が契約を結んだ際に、「200勝はできるだろうが巨人では何勝もできない」と苦言を呈していた。
その考えには変わりはなく、「多くは望めない」とも言うが、あと2勝に迫った金字塔の達成は見えてきたと評価したのである。
阿部監督は、試合後、会見場所に姿を見せず田中の評価や次回登板予定はわからなかった。
だが、まだ右膝を痛めたグリフィン、右肩周辺のコンディション不良の西舘の2人はファームでリハビリ中。先発ローテーが苦しい中で、7日のヤクルト戦で6回途中で3安打2失点、そしてこの日も、5回で3失点自責0と続けてゲームを作った田中に再び先発チャンスが巡ってくることは間違いないだろう。そしてマー君が200勝に王手、200勝と、メモリアルな階段を上り続ければ、そのフィーバーでクリマックスシリーズ出場圏内をキープしたいチームに勢いはつく。現代巨人は2位だが3位の横浜DeNAとは2.5差、4位に浮上した中日とは4.5差となっている。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)