
那須川天心が自腹開催の「天心祭」で11月のWBC王座決定戦挑戦明言も「対戦準備ができている」2位の井上拓真はIBF王座に照準で実現せず?!突然将来的なスーパーバンタム級転級も示唆
プロボクシングのWBC、WBA世界バンタム級1位の那須川天心(27、帝拳)が、自腹で生まれ故郷の千葉県松戸市で2日連続で開催する「天心祭」が23日に開幕、囲み会見で今秋に中谷潤人(27、M.T)が返上を宣言したWBCのベルトへ挑戦することを明らかにした。2位の元WBA世界同級王者の井上拓真(29、大橋)との「対戦準備ができている」とも語ったが、井上拓真はIBFの王座にターゲットを絞っており対戦するのであれば、お互いが王者となった後の統一戦。また「やるべきことがなくなれば階級を上げたい」と早くも井上尚弥(32、大橋)が4団体統一王者として君臨しているスーパーバンタム級への転級構想があることを明かした。

灼熱の太陽が照りつける櫓の上に緑のハッピを着て天心は立っていた。23日に生まれ育った故郷の松戸市の松戸中央公園でスタートした「天心祭」。
ステージがあり、焼きそばなど飲食の屋台だけでなく、輪投げ、ボール投げ、射的など子供たちが楽しめる夜店も出店し、“親友”粗品とのトークショーや夜には盆踊り大会も開催された。本格的な夏祭りだ。入場は無料。混乱を避けるため整理券が配られたが、途中「配布終了」の看板が掲げられるほどの人気ぶりで約3000人がつめかけた。天心が開催意図をこう明かす。
「人間みんな仲良くしていこうよ。というテーマがある。今の世の中はSNSで言い合ったり負のニュースが多い。外で体を動かすことが大事。子供も家にいたりすることが多い。外に出ようぜ、というきっかけを与えられたらと。体を動かせば、考えていることも忘れる。負のオーラをなくそう、ということですよ」
SNS全盛の時代へ警鐘を鳴らすメッセージだ。
「祭りってみんなが躍って楽しい。めっちゃ好き。日本の文化でもある」との遊び心が根本にあるが、生まれ育った地域への社会貢献としての意義もある。
「地元が盛り上がるのも大事。生まれ育った地元愛がなければやらない。松戸からスポーツ選手やいろんな人が生まれれば。天心のイベントで明るくなれましたとかのきっかけになればいい」
開催費用はほぼ自己資金。
「1試合のファイトマネーの半分くらい。前回は10ラウンドやったので5ラウンド分。何千万円とかかっております(笑)。100パー赤字。グッズとかで最低限(の売り上げ)。みんなに楽しんでもらいたいだけでやっている。ほんと、関係ないっしょ!気持ちっしょ!の“かんきも”でやらせてもらっている」
天心のファイトマネーはすでに1億円を突破しているので、約5000万円はかかっていることになる。ちなみに輪投げ、ボール投げは1回500円だった。
「その代わり応援して下さい。僕の試合に来て下さい」と呼びかけることも忘れていなかったが、これは立派な社会貢献。
天心は昨年は能登半島地震の被災地である石川県に帝拳ジム、父親が経営するキックのTEPPEN GYMとの共同で1500万円を寄付している。知名度のあるアスリートの社会的役割を心得ている点が、ただの格闘家ではない。
「僕の(今後のボクシングの)活躍次第で祭りはグレードアップする。毎年できるかどうかわからないが、好評なら次は千葉、次は東京、次は世界。ニューヨークのタイムズスクエアとか、(ラスベガスの)MGM(グランドホテル)とか」
今後の壮大なプランをも口にした。