
今日ゴング!「ボクシングはボディビルじゃない」井上尚弥は衝撃的“ムキムキの肉体”を披露した最強挑戦者に勝てるのか…前夜にアフマダリエフが元世界王者にかけてきたテレビ電話
前日は「尊敬する人への敬意を込めて」ウズベキスタンの民族衣装「チャパン」を井上、大橋会長、真吾トレーナーにプレゼントした。大橋会長は「逆に怖い。自信があるのでしょう」と警戒を緩めなかったが、「警戒する意味がわからない。悪意はない。心からのプレゼントだ」と、余裕を見せていた。
井上はアフマダリエフに勝てるのか。
10年以上前になるが井上とのスパー経験があり、アフマダリエフとも実際対戦している岩佐氏は「井上選手が負けるパターンは想像ができない。勝つボクシングをしたら手がつけられない」という予想を立てていた。
アフマダリエフの肉体を見てもその予想は変わらないのか。
「あの体はやばかったね。井上選手とは分厚さが違っていた」
岩佐氏も4年前より遥かにパワーアップした肉体を映像で見て驚いたというが、こう断言した。
「ボクシングはボディビルじゃない。体でやるもんじゃないんで関係ないですよ。僕の予想は変わらない。いくらフィジカルを押し出してプレスをかけてきても、井上が勝つボクシングを徹底したらペースを奪われることはないですよ」
判定勝利予想だ。
「井上選手のジャブは当たるし、ボディで終わらせることもあり得るんじゃないですか。ああ見えてムロジョンは打たれるとひるむし、気持ちはそこまで強くない。しかも超一流とやっていませんからね。ただ、ガードは堅いし、前にいけないと思うと、リスクを負わずに足を使って逃げ回るんで判定にもつれこんでの井上選手の判定勝利じゃないですか」
ただ岩佐氏は、日本人としてただ一人アフマダリエフを戦ったボクサーとして「どっちを応援するか複雑な心境だ」という。
またルールミーティングでアフマダリエフ陣営は4、5個グローブを持ち込み、当日には、エバーラスト製を使用、予備としてアディダス製のグローブを用意して、当日に変更する可能性を示して許可を求めた。アディダス製は拳を守る大きいグローブとして知られる。過去に痛めたされる左手首への不安があるのだろうか。
スピードとボクシングスキルは、1枚も2枚も井上が上手。ルイス・ネリ(メキシコ)戦、ラモン・カルデナス(米国)戦でダウンを奪われることになったカウンターの左フックは要注意だが、今回は「強引なボクシングをしない」と、そこに細心の注意を払うスタイルを徹底する覚悟を固めているので不安はない。
しかも、岩佐氏も「ムロジョンはリーチが短いので、あのフックにそこまで見辛さはなかった。見切れます」と言う。
井上はポイントアウトのボクシングを徹底し、アフマダリエフのバランスを崩しながら、プレスをかけて機を見て強い必殺のブローを打ち込んでいく。筆者も岩佐氏の予想と同じで、後半KOもあり得ると見ている。井上は負けないだろう。
井上が言う。
「1ラウンドからヒリヒリする楽しい展開、緊張する展開になる。そこを楽しんでもらえればいい。僕もそこを楽しみながら戦いたい」
運命のゴングは午後8時から8時20分前後と予定されている。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)