「変な感じだった。球がよく見えずに混乱した」6球種を操る山本由伸の連続完投の快挙にブルージェイズ主力打者の面々が脱帽…主砲ゲレーロJr.も「彼の夜だった」と完敗を認める
「本当に変な感じだった。リリースポイントを捉えようとする代わりに彼の顔を見てしまって球がよく見えなかった。少し混乱した」
2番に抜擢されたネイサン・ルーカスは1回にカットボールを捉えてレフト前ヒットを放つも、その後は2三振。高めゾーンのストレートを振らされ、変化球を意識するあまり、外角に決まるストレートに手が出なかった。
「彼はすべての球種を完璧に使いこなした。彼がリーグ屈指の投手である理由がわかるよ」
MLB公式サイトによるとこうも話した。
「(チームとして)いい当たりもあったけど、なかなか間を抜けなかった。彼には本当に何もさせてもらえなかった。脱帽だよ。次に向かうしかない」
スポーツイラストレイテッド誌によると、山本はイニングごとに配球を変え、6種類の球種を19種類の異なる速度で投げ分け、その差は最大で24マイル(約38.6 キロ)にも及んだ。27つのアウトのうち、結果球は、カーブ10、スプリッター6、フォーシーム5、カッター4、スライダー1、シンカー1だったという。
また米サイト「ドジャーブルー」が伝えた会見映像で、ジョン・スナイダー監督も、山本の投球を褒め称えた。
「ポストシーズンでの2試合連続の完投はなかなかできることではない。ドク(ロバーツ監督)が彼を続投させた理由もわかる。本当に凄い投球だった。野球ファンとしても完投の価値は理解できるはず」
そしてこう続けた。
「ただただ素晴らしかった。序盤からそうだった。1回に23〜24球投げた(正確には23球)と思うが、その回が我々の最大のチャンスだった。そこから先はほとんどチャンスはなかった。彼を攻略するのは難しかった。ゾーンに入っていた。スプリットもゾーン内外に巧みに使っていました。本当に素晴らしい投球だった」
クレメントが戸惑った独特の投球フォームへの対策も練っていたという。
「打者には、まずボールがどこから来るのかを見極めるように指示した。その上で攻める球を決める。確かに変わったフォームで、セットポジションとワインドアップでもフォームが違うが、選手たちは準備してきた。ただ、彼の投球はすべて、トンネル効果(ゾーンから落とす)が効いていて、速球も的確に投げわけている。フォーム自体にある程度の“だまし”があるが、準備不足だったわけじゃない。今日は完全に彼のゲームだった」
第6戦で再び山本と対戦する可能性がある。シュナイダー監督はリベンジを誓い、まずは第3戦に向けて気持ちを切り替えた。
「今年彼を見るのはこれが初めて。フィードバックをもらって、修正できる部分は修正していく。うちのチームには調整力がある。でもまずは次の第3戦に集中する」
ワールドシリーズの第3戦はトロントからロスに舞台を変えて日本時間明日28日に行われる。

