12.6W杯組み合わせ抽選を前に日本の第2ポット入り決定は“死の組”を避けて悲願達成への追い風となるのか?!
移動を含めた両方の観点で言えば、グループBでカナダ、第3ポットからランキング30位のパナマや同36位のスコットランド、第4ポットからは初出場のキュラソーや52年ぶりの出場となるハイチなどが入るのが最高の組み合わせとなる。
ただ、第3ポットには極めて厄介な国も振り分けられた。
現時点における世界最高のストライカー、アーリング・ハーランド(25、マンチェスター・シティ)を擁するランキング29位のノルウェーが、同26位で第2ポットの豪州にわずかに及ばず第3ポットとなった。
ノルウェーは欧州予選のグループIを8戦全勝、得点37に対して失点5と圧倒的な成績でトップ通過して7大会ぶり4度目のW杯出場を決めた。W杯歴代2位タイの4度の優勝を誇るイタリアをホーム、アウェイでともに撃破する快進撃の原動力になったのが、全8試合で16ゴールを決めたハーランドだった。
身長194cm・体重88kgのサイズとともに、最前線で突出した存在感と決定力を放つハーランドは、ボルシア・ドルムントや現所属のマンチェスター・シティで驚異的なペースでゴールを量産してきた。自身初の主要国際大会へ、満を持して臨む怪物ストライカーを中心に攻撃的なサッカーを標榜するノルウェーを、早くも北中米大会におけるダークホースに挙げる海外メディアもあるほどだ。
出場48カ国中で、現時点で決まっているのは42カ国。来年3月下旬の欧州及び大陸間プレーオフで決まる残り6カ国は自動的に第4ポットに振り分けられている。
その中には前述したようにノルウェーに屈した、ランキング12位のイタリアも含まれる。伝統の堅守を武器とするイタリアが3大会ぶりとなるW杯出場を果たし、第4ポットから組み込まれるグループは必然的に状況が一変しかねない。
具体的には、第1ポットからアルゼンチンかブラジル、第3ポットからノルウェー、第4ポットからイタリアが入ってくる可能性もゼロではない。第1ポットからスペインやフランスなどの欧州勢、第3ポットからはノルウェーが入ってくる場合も含めて、北中米大会で“死の組”が生まれる可能性は十分にある。
それでも、今年3月に“世界最速”で北中米大会出場を決めて以降、出場決定国の分析や移動を含めたシミュレーション、組み合わせに応じたベースキャンプ地の選定などに十分な時間を割いてきた森保監督はドローへ向けてこんな言葉も残している。
「どのグループに入ったとしても、チームのスタッフたちが最善の準備をしてくれる状況にある。今は落ち着いた気持ちでいます」
第3ポットだった前回カタール大会は、優勝経験国のドイツとスペインをグループステージでともに逆転で撃破して世界へ衝撃を与えた。引き続き森保監督のもとで臨む北中米大会でどのようなドラマが待っているのか。運命の組み合わせ抽選会は日本時間12月6日午前2時から、米国の首都ワシントンD.C.のケネディ・センターで行われる。

