プロテスト受験の19歳“ザ・サンダー”片岡雷斗を「井上尚弥のライトフライ級時代よりも相当レベルが高い」と大橋会長が絶賛した
習志野高で5冠。2023年にアジアユースの51キロ級で優勝し、昨年11月にNTTドコモの映像配信「lemino」とサポート契約を結び、大橋ジムで、2028年のロス五輪を狙っていたが、適性階級の51キロ級が五輪階級ではなくなったため、プロ転向を決意した。
通常体重は53キロから54キロ。アマチュアでは55キロでも戦ってきたが、プロでは47.6キロがリミットのミニマム級からスタートしたいという。もちろん目標は世界王者で「3年以内」と期限を定めた。
父でトレーナーを務めている圭さん(50)は、「本当ならロス五輪で金メダルを狙っていた2028年に世界王者になれれば、“止まっていたわけではない”と証明できる」と、その片岡の目標をプッシュした。
片岡は「スーパーバンタム級まではいけます」とさらに大きな夢を掲げる。
身長は自称1m62。おそらく実際には1m60があるかないか。上背がない分、スーパーバンタム級がギリギリ限界だろうがまだ19歳。肉体の成長のノビシロも含めて目標はでかい方がいい。ミニマム級からスーパーバンタム級まで制覇すれば、世界でもマニー・パッキャオ(フィリピン)とオスカー・デラホーヤ(米国)しか成し遂げていない6階級制覇となる。
大橋会長も「全然可能性あるんじゃないか」と期待を寄せる。
そして「ライトフライ級のときの井上尚弥の比べてみても、相当(片岡の方が)レベルが高い」とまで絶賛した。すでに井上超えのポテンシャルを持つというのだ。
高卒ルーキーにしては、あまりにも完成度が高いため、大橋会長は、当初「本気でプロ3戦目で世界を狙わせようと考えていた」という。
片岡の憧れはもちろん井上尚弥だ。
だが、最も印象に残った試合は、豪快に倒した世界戦ではなく、勝ちに徹して判定勝利した9月のWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)戦だという。
「五輪を目指していたので、リオ五輪で銅メダルを獲得したアフマダリエフや銀メダルを獲得したシャクール・スティーブンソンを見ていたんです。いかに強かったかを知っているので、そのアフマダリエフを完璧に封じた尚弥さんがどんなに凄いかがわかる試合でした。とにかく引き出しが多い。あの舞台であんなボクシングができるなんて」
片岡が目指す先がよくわかるエピソードだ。
「尚弥さんや天心さんと拓真さんの試合を見ていると希望を与えられるが凄い。お客さんにも力を与えれる、そんなボクサーになりたい」
デビュー戦は3月に予定されている。
ボクシングファンは「ザ・サンダー」の愛称を3年先まで覚えておいた方がよさそうだ。

