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2025年の現役ドラフト結果
2025年の現役ドラフト結果

「楽天指名の“実績一番”佐藤よりも巨人から日ハムの菊地、阪神からロッテの井上に大化けの予感」現役ドラフトの“大化け選手”と“疑問の人選球団”を元ヤクルト編成部長が独自診断

 プロ野球の「第4回現役ドラフト」が9日に非公開で行われ、12人の移籍が決定した。2019年のドラフト1位(JR西日本)で今季104試合に出場していたソフトバンクの佐藤直樹外野手(27)が同一リーグの楽天に指名されるなどしたが、大化けの可能性がある選手の獲得に成功した球団とその人選に疑問符のつく球団はどこなのか。“再生工場”で知られる故・野村克也監督の右腕としてヤクルト、阪神などでコーチを務め、ヤクルトでは編成部長を務めた松井優典氏に独自視点で分析してもらった。

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 松井氏の総括は「インパクトなき現役ドラフト」だった。
「この選手を出すのか?と驚きをもって受け止められる選手のいない現役ドラフトになった。ただ一方で、足の速さを買われた若いスペシャリストも目立った。またチーム事情により3件が実質トレードになるなど、環境が変わりどっちが成功するのか、今後、注目しておきたい移籍もあった」
 過去にはソフトバンクから阪神に移籍して2年連続ゼロ勝から、いきなり12勝して今やローテーの一人となった大竹耕太郎、横浜DeNAから中日に移籍して3年連続で20本塁打以上をマークした細川成也、ソフトバンクから日ハムに移籍してレギュラー格にブレイクした水谷瞬らの現役ドラフト成功組もいる。誰もが新天地で大化けする可能性秘めている中で、松井氏に今回の現役ドラフトの成否について独自診断してもらった。
「実績から言えば、サプライズは、優勝したソフトバンクで今季サブレギュラー的な活躍をしていた佐藤の楽天移籍だろう。しかし、私は一番の大化け候補に巨人から日ハムへ移籍の菊地の名をあげたい」
 松井氏が今回の現役ドラフトで一番の大化け候補として期待したのが巨人から日ハムへ移籍の大型右腕の菊地大稀だ。2021年に桐蔭横浜大から育成選手ドラフト6位で巨人に入団した。佐渡島出身の初のプロ野球選手として話題となり、2023年には50試合に登板し、11ホールド、防御率3.40の数字を残したが、2024年は1軍登板なく戦力外となり今季は育成契約。7月下旬に再び支配下登録され、7試合の登板で防御率1.80。今オフには契約更改でトレードを志願したと見られている。
「スケール感がある。肝心なところで制球を乱して流れをつかめなかった印象がある。細かい制球がなくともゾーンで勝負できるようになれば面白い。先発でも中継ぎでも田中瑛の逆バージョンのパターンになれないか。新庄監督はある程度我慢して起用するので期待ができる」
 もちろん計算が立つという意味で楽天が獲得した佐藤も評価した。今季は自己最多の104試合に出場。打率.239、5本塁打、18打点、10盗塁と各部門でキャリアハイの成績を残している。
「足があり守備も安定している。バッティングも思い切りがいい。ただソフトバンクの外野は、周東、柳田、近藤、柳町と揃っていて怪我人が出なければチャンスはない。現役ドラフトで大竹、水谷、吉田と好選手を輩出しているソフトバンクは、4軍までの選手層の余裕の表れだろう。楽天は辰己がFAしている。退団した場合でも困らない補強をした。右の野手も層が薄かっただけにそこも埋められた」

 

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