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2025年の現役ドラフト結果
2025年の現役ドラフト結果

「楽天指名の“実績一番”佐藤よりも巨人から日ハムの菊地、阪神からロッテの井上に大化けの予感」現役ドラフトの“大化け選手”と“疑問の人選球団”を元ヤクルト編成部長が独自診断

 そして松井氏が次に注目したのが阪神からロッテへ移籍の井上広大だ。2019年に履正社から右の大砲候補としてドラフト2位で入団し、2024年には、横浜DeNAのエース東克樹、中日からメジャー移籍した小笠原慎之介から本塁打を放つなど、左キラーとして3本塁打をマークし、ウエスタンリーグでは打率.308で首位打者を獲得した。しかし今季は1軍は1試合出場に留まった。
 ロッテの外野陣は、藤原恭大、西川史礁、山本大斗、髙部瑛斗と揃い、伸び悩んでいるが山口航輝らもいて層は薄くはないが、松井氏は、「大砲タイプは安田、山本くらいしかいないので井上が化ければロッテにとっては魅力だろう。問題はタイミング。揺さぶりにどう対応するか。ゾーン勝負してくるパ・リーグの方が合っているかも」と期待を寄せる。
 松井氏は「今回の特徴として俊足のいわゆる足のスペシャリストが多く動いた」と指摘した。
 その中でも最上位に評価したのが、広島が楽天から獲得した辰見鴻之介だ。プロ3年で1軍出場は2試合しかないが、今季はイースタンリーグで31盗塁で盗塁王を獲得し、打率も.280を残した。内野以外に外野も守れる。
「広島は終盤の勝負どころでの代走要員は羽月と大盛くらいしかいなかった。そこの層を厚くするためのスペシャリストを狙ったのだろう。補強ポイントに合致するし、ほぼ1軍での出番のなかった辰見が自慢の足で、どうブレイクするかが楽しみ」
 他にも足のスペシャリストとしては西武がオリックスから獲得した外野手の茶野篤政、横浜DeNAが中日から獲得した外野手の濱将乃介がいる。茶野もウエスタンで28盗塁をマーク、濱も15盗塁している。
 また松井氏はヤクルトが獲得した広島の右腕、大道温貴にも注目マークを付けた。
「ヤクルトの補強ポイントは投手。狙いのわかる指名で大道はこの2年1軍ではほとんど投げていないが、入団1、3年目は結果を残した。環境や指導者が変わってどう再生できるか」
 2020年のドラフト3位で八戸学院大から広島に入団した大道は2021年のルーキーイヤーに先発7試合を含む24試合で防御率は4.75ながら、4勝4敗3ホールドをマークした。2023年には救援で48試合に登板して防御率2.72、3勝1敗10ホールドの成績を残した。だが、2024年はファームで結果を残すも中継ぎ陣が充実していたため、1軍登板は4試合に留まり、今季は10月2日のヤクルト戦だけの1試合登板で9回1イニングで2三振を奪っている。

 

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