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2025年の現役ドラフト結果
2025年の現役ドラフト結果

「楽天指名の“実績一番”佐藤よりも巨人から日ハムの菊地、阪神からロッテの井上に大化けの予感」現役ドラフトの“大化け選手”と“疑問の人選球団”を元ヤクルト編成部長が独自診断

 今回の現役ドラフトのもう一つの特徴は、“実質トレード”の移籍が3件あったことだ。日本ハムの松浦慶斗と巨人の菊地、横浜DeNAの知野直人と中日の濱、オリックスの茶野と西武の平沼翔太の3件だ。
「それぞれのチームの思惑が見え隠れした。オリックスは平沼の経験と内外野を守れるユーティリーティーを戦力として求め、西武は平沼を頭打ちと判断して若手で足のある茶野の期待値にかけた。平沼は今季のオリックス戦で3割以上を打っていたというから、天敵を抜くという効果もあるのかもしれない。巨人は田中瑛、中日は細川の柳の下の二匹目のどじょうを狙いにいったのだろう。知野は内野はどこでも守れ、足もあり一発の魅力があるが、横浜DeNAでは、三塁に宮崎、筒香、二塁に牧、そこに林、石上らの台頭があり、出番が今季8試合しかなく細川と置かれた立場は似ている。横浜DeNAは余剰戦力の知野を出して足のスペシャリストを育成したいと濱を選んだと思う。巨人は中継ぎ左腕が、中川、高梨、石川くらいしかいないため、その補強の目的もあったと思う。ただ田中瑛にはシュートという一芸があったが松浦にはそれがない」
 松浦は大阪桐蔭から2021年ドラフト7位で日本ハムに入団したが、なかなか1軍チャンスをつかめず今季は1軍登板はなかった。
 そして松井氏が、今回の現役ドラフトでその指名に疑問を抱いたのが、巨人、阪神、ソフトバンクの3球団だ。
「阪神が指名したヤクルトの濱田は井上と同じく変化球の対応という課題を克服できずに伸び悩んでいる。厳しい言い方だが、同一リーグでは、大化けの可能性が高くない。選手層の厚いソフトバンクは、切羽詰まってはいない中で、変則左腕で地元九州出身という点に注目しての中村だったのではないか」
 ヤクルトから阪神に移籍の濱田太貴は2018年に明豊高からドラフト4位でヤクルトに入団。2022年には6本塁打を放ち、2023年には103試合に出場し、打率.234、5本塁打、22打点。今回は開幕1軍に抜擢されるも、その後不振で2軍落ち、8月に復帰して、4本塁打をマークしたが、34試合出場に留まっていた。
 またロッテからソフトバンクへ移籍の変則左腕である7年目の中村稔弥は今季は15試合に登板し防御率3.15の成績を残している。
「再生が注目される選手が出る反面、1年、2年で戦力外となる選手がいるのも現役ドラフトの現実。ただ新天地でチャンスはもらえる。私の予想をいい意味で裏切ってくれる選手の活躍に期待したい」
 松井氏は4回目の現役ドラフトの診断をそうまとめた。なお方式が変更されたにもかかわらず2巡目の指名選手はなかった。

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