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モンスター二世の坂井優太が衝撃の130秒TKO勝利(写真・山口裕朗)
モンスター二世の坂井優太が衝撃の130秒TKO勝利(写真・山口裕朗)

「え?早すぎ!」衝撃の130秒TKO…“仮想”那須川天心として井上拓真のスパー相手を務めた20歳の坂井優太が無傷の6連続KO勝利…大橋会長は「来年は世界ランカーをぶつける」

 さらに今回の進化には大きな理由があった。11月24日に那須川天心を判定で下した拓真のスパーリングパートナーを務めたのだ。合計31ラウンド。真吾トレーナーが「坂井君とのスパーが大きかった」と、天心戦の勝因のひとつにあげたほどの真剣勝負だったそうだが、それはイコール、坂井にとっても、かけがえのない経験になった。
「世界王者とのスパーは凄いモチベーションになった。緊張感を持っていい経験になった。拓真さんは天心選手との試合でも、思い切って前へ出ていたが、僕とのスパーでもやられて嫌だったことを天心選手にもしていた」
 特に驚いたのは「初めて体験する巧妙な連打」だという。
 兄でスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥が、スパー中に「下を見て上」と横から声をかけ続け、その指示通りに拓真が打ってきた。
「尚弥さんか、真吾さんか、誰の戦術かはわからないが、緻密に一発一発狙ってきた」
 その経験をした坂井にとって地域ランカーのタイ人など相手にならなかったのも当然かもしれない。
 リング上では「あまり大きなことを言えないが、来年あたりタイトルマッチやりたい」と宣言した。
 現在、日本バンタム級で6位にランキングされている。まだ20歳で肉体は成長中だが、バンタム級なら減量は約8キロで、当日のリカバリーが約6キロなのでこの階級で戦えるという。
「まずは日本タイトルになるのかな」
 日本王者は10月に新王者となったばかりの梅津奨利(三谷大和)。
 だが、リングサイドで勝利を見届けた大橋会長は「来年は世界ランカーをぶつけたい」との意向を示した。
 2022年の世界ユース金メダルを含むアマ7冠の志宝は、じっくり育てる方針でここまできたが、来年は世界へ向けてのプレイヤーにする考え。伸克トレーナーも「いつそういうチャンスが来てもOKのような準備をしている」という。

(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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