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中谷潤人は薄氷勝利も「118-110」採点が物議(Matchroom Boxing/Mark Robinson)
中谷潤人は薄氷勝利も「118-110」採点が物議(Matchroom Boxing/Mark Robinson)

「中谷潤人の118-110は胸クソが悪くなる採点だ」サウジ興行主催者の一人である英大物プロモーターが苦言…「私の採点は僅差でヘルナンデスの勝利」

 最終ラウンドはもうKO決着はあきらめて明らかにポイント狙いの戦術に切り替えた。強打はせず、連打のパンチをまとめるシーンを何度か作って手数で3人のジャッジへアピ―ルした。
 結果的にこのラウンドは3人が中谷を支持。もし115-113とつけた英国人の2人のジャッジが、このラウンドをヘルナンデスに付けていればドローという薄氷の勝利だった。ちなみに筆者の採点も115-113で中谷だったが、118-110の採点はないだろう。
 この採点を付けたのサウジアラビアのナワフ・アルモハイミード氏。このジャッジがヘルナンデスを支持したのは6ラウンドと11ラウンドだけだった。前進と手数の攻勢点か、それとも数は少ないが中谷のクリーンヒットか。その判断は難しかったものの、明らかに4、8、9ラウンドは、ヘンナンデスが支持されるべきラウンドだった。
 中谷は「タフな試合だった」と繰り返して採点結果については触れなかった。判定を待つ間は「やりきったのですっきりしていた」という。
 一方のヘルナンデスは一夜明けの空港でインタビューに応じた。
「Fight Hub TV」によると「118-110」のスコアについてハーン氏が「胸クソが悪くなる採点だ」とコメントしたことについて聞かれ、こう返した。
「正直、スコアカードのことはあまり気にしていない。自分は自分の仕事をやるだけ。ファンの皆さんにとっていい試合はできたと思う。それで満足している」
 さらに「自分が勝ったと思うか?」と聞かれ、「ファンの皆さんにとっていい試合を見せられた。それで満足している」と、不満などを一切口にせず、潔かった。
 中谷はスーパーバンタム級の転級初戦で階級の壁を突きつけられることになった。試合後の会見でその見方に対する意見を聞いた。
「バンタム級なら倒していたタイミングはいくつかあった。この階級で戦ってみて、耐久力とかを感じながら戦っていた。そのへん(階級の壁)を思われるのは仕方がない。ただ戦い方で対応はできる。これを糧にスーパーバンタム級に絶対アジャストして、これからの成長につなげていきたい」
 もう来年5月の東京ドームでの井上尚弥戦に待ったなし。
 ヘルナンデスは、「中谷と井上の試合はどうなると思うか?」と聞かれ「いい試合になると思う。ぜひ観たいですね」と語るに留めた。
 中谷は会見で「リング誌」の記者に「井上にどうすれば勝てるか?」と質問されていた。
「12ランドを戦って、タフな選手にこの階級を経験した。キャリアの糧になるこれが本当のリアルだと感じている。どう成長につなげるか。燃えたぎったものがあるので期待してもらえれば」
 判定が物議をかもしたが、デビュー以来32連勝。お互い無傷のままモンスターとのスーパーファイトを迎えることができる意義は大きいだろう。

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