5.2東京ドーム決戦!「中谷潤人なら井上尚弥に勝てるのではないか」の“幻想”は本当にサウジの夜で崩れてしまったのか…真吾トレーナーの答えは?
プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)と元3階級制覇王者で同級でWBC、WBA,WBOの3団体で1位の中谷潤人(28、M.T)が今年5月に東京ドームで対戦する。昨年12月27日のサウジアラビアでの「The Ring V: Night of the Samurai」で中谷はスーパーバンタム級のテストマッチに大苦戦して評価が急落した。本当に中谷は井上の敵ではないのか。
真吾トレーナーは辰吉vsラバナレス戦に重ねた
「中谷なら井上に勝てるのではないか?」
ボクシングファンが抱いていた幻想はサウジの夜に崩れてしまったのか。
まさかの苦戦だった。
中谷はスーパーバンタム級への転級初戦となるテストマッチで同級10位のセバスチャン・ヘルナンデス(メキシコ)を攻略できなかった。序盤に強烈な左ストレートを叩き込むもダメージを与えることができず、中盤から終盤にかけてヘルナンデスが前へ出てきてフックやボディ、アッパーをひっきりなしに振り回されると中谷は後手を踏む。
バッティングとパンチで右目は視界を失うほど無残に腫れあがった。中谷はやれることはすべてやった。頭をつけて打ち合いに応じ、打開できないとみると、足を使ってサイドからボディ、アッパーを打ち込むが、勢いは止められない。距離をとってワンツーを踏み込むもヘルナンデスは平気な顔で前進を続けた。最終ラウンドに中谷は倒すことはあきらめ、手数をまとめてポイントを取りにいき、2人のジャッジが115-113とつける薄氷の判定勝利である。ジャッジの1人は「118-110」としたが、大会運営に携わったマッチルームのエディ・ハーンCEOが「118-110は胸クソが悪くなる採点だ。私の採点は僅差でヘルナンデスの勝利」とリング誌に語ったほどだった。
バンタム級に転級後から5試合続いていた連続KOもストップした。
階級の壁にぶつかったことは明らかで米専門サイト「ボクシング・シーン」は、「井上のライバル候補”とされる中谷はヘルナンデスと地獄のような激闘を繰り広げた。中谷は2人のジャッジによる僅差の採点と、もう1人の大きく物議を醸した採点(118―110)に支えられる形で、3-0判定勝利を“辛うじて”手にしたが、その内容はあまりにも脆さを露呈するものでもあり、5月に計画されている井上との対戦が実現するなら、中谷を推す声はほとんど上がらないだろう、という印象を残す試合となった」と辛辣な評価を下した。
元OPBF東洋太平洋ライト級王者で“精密機械”ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)とラスベガスで戦った男として知られる中谷正義氏(現在・大阪府吹田市で中谷ボクシングフィットネスクラブを経営)も、「これまでは中谷選手はパンチの強さで相手を怖がらせ下がる展開を作れていたが、序盤にダメージを与えることができずに中盤からは逆にプレスをかけられ自分の距離を潰されてしまいました。階級の壁ですね。こういう姿は井上選手には見せたくなかったと思いますよ」と“階級の壁”を露呈してしまったと見ている。
では本当に中谷は井上の敵ではないのか。
井上の父で専属トレーナーの真吾氏は、その評価を真っ向からこう否定した。
「あの試合で中谷選手の評価を下すのは間違っていますよ」

