「スタッフを精神的に追い込む発言をした」J1福岡が電撃解任した金明輝前監督の3件のコンプライアンス違反の内容を発表…ライセンスを発行したJFAは「大きな危機感を持って取り組まねば」
J1のアビスパ福岡は14日、コンプライアンス違反があったとして4日付で解任した金明輝前監督(44)について、選手の前で特定のスタッフを叱責するなど、3件の具体的な違反事案を公表した。その上で結城耕造社長(46)の辞任を含めた幹部の処分も発表。指導者ライセンスを管轄する日本サッカー協会(JFA)の山本昌邦技術委員長(67)は、金前監督の件に「本当に遺憾」と言及した。
3件は氷山の一角?
解任が電撃発表されてから9日。当初は詳細が控えられていた福岡の金前監督による具体的なコンプライアンス違反行為が明らかになった。
14日夜に更新されたクラブ公式HPやX(旧ツイッター)で福岡は「コンプライアンス違反事案に関するご報告とお詫びについて」と題した声明を掲載。その中で金前監督による3件の具体的な違反事案を公表した。
【1】多数のスタッフが同席している状況下で、特定のスタッフまたはスタッフ全員を指して、その業務能力を揶揄する発言やスタッフを精神的に追い込む発言をした。
【2】多数のスタッフや選手が周囲にいる状況下で、特定のスタッフに対し、周囲が危機感や不安を持つような不適切な方法ないし態様による叱責を行った。
【3】スタッフの本来的な業務に含まれない業務を遂行するように求め、その業務遂行が不十分と感じた際に、周囲から見える状態で強い叱責を行った。
福岡は【1】は複数回に渡って、【2】と【3】は昨年11月に行われたと発表。【1】に関して「発言内容が不必要かつ不適切」と、【2】に「グラウンド上の選手らが発言内容を聞いて不満を持ち、緊急で話し合いを始めるほどの剣幕だった」と、【3】には「過大な要求で、衆人環視の中で叱責を行う必要はなかった」などとする見解を示した。
さらに管理監督責任も発表。川森敬史会長、結城社長、立石敬之副社長が辞任し、山口均副社長が減俸10%(3カ月)、柳田伸明強化部長が強化担当へ降格した上で減俸10%(3カ月)などとなっているが、川森氏と立石氏は取締役として留任する。
違反行為は「現時点で確認されたもの」とされ、福岡側は引き続き調査を行う。場合によってはさらにコンプライアンス違反が報告される可能性もある。福岡は同時に再発防止策として弁護士や人事労務の専門家らで構成されるコンプライアンス対策室を発足させ、クラブハウス内にはサーベイランスカメラを設置する。
金氏はサガン鳥栖監督時代にも、複数の暴力や暴言などのパワーハラスメント行為が確認されている。事態を重く見たJFAは2022年3月に金氏の指導者公認ライセンスを最上位のS級(現Proライセンス)からA級コーチジェネラルへ降級させた。
金氏は、2023シーズンに町田のヘッドコーチに就任。高校サッカー出身の黒田監督を主に戦術・戦略面で支えながらJ1初昇格、2024シーズンのJ1リーグ3位躍進に貢献。その間にはJFAのコンプライアンス講習を受けてS級ライセンスを再取得し、監督を務める上での資格を回復させた。
そして2024年12月に福岡の監督就任が決まった。この人事を巡っては福岡のサポーター団体が再考を求める緊急声明を発表。福岡の主要スポンサーで、辛子明太子の製造・販売で有名な株式会社ふくや(本社・福岡市博多区)が契約更新を見送ると発表した。いずれも金氏の監督招聘が理由だった。

