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ドイツ戦では、その采配が絶賛された森保監督だったが、0-1で敗れたコスタリカ戦では疑問の残る采配があった(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
ドイツ戦では、その采配が絶賛された森保監督だったが、0-1で敗れたコスタリカ戦では疑問の残る采配があった(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

城氏がコスタリカ戦に敗れた”森保采配”に「4つの疑問」を指摘…「ドイツ戦から先発メンバーを5人も替える必要があったのか?」

 

 サッカーは怖い。日本はゲーム内容ではコスタリカを圧倒し終始主導権を握りながらも結果は0-1。改めてワールドカップの戦いでは何が起きても不思議ではないことを思い知らされた。
 森保監督の采配に4つの疑問が浮かぶ。
 ひとつは、世界を驚かせたドイツ戦の勝利から先発メンバーを5人も入れ替えたターンオーバーの是非にある。酒井の故障などもあり、メンバーを替えるのは賛成だが、5人も交代する必要があったのかどうか。特に疑問を抱いたのは、上田、守田の2人だ。
 スペイン戦で7点を失ったコスタリカが前半から守備に徹したため、ハーフコートの戦いになったものの、上田が”クサビ”となれず、ゴール前でボールを入れられても潰されてシュートへの起点を作ることができなかった。
 ドイツ戦でヒーローになった浅野を先発起用しても良かったと思う。ボランチには、守田が怪我から復帰したが、コスタリカに対して守備的なボランチはいらない。ワンタッチでボールを前へ運ぶ、“発電機“になれて、攻撃にアクセントをつけることができる柴崎や、ドイツ戦で先発させた田中でよかったのではないだろうか。
 トップ下の鎌田も、上田のトップに相馬、堂安と共に2列目を形成するパターンに慣れていないせいか、連携がうまくいかず空回りしているように見えた。5バックで、その前列に4人を揃え強力な守備ブロックを作ってきたコスタリカの“壁“を崩すことは容易でないことは予想された。日本はボールを支配したが、コントロールしてはパス、コントロールしてはパスのワンパターンで、リズムやテンポの変化を作ることができず、粘り強く、シュートコースに必ず飛び出してきて、アタッキングサードの攻撃は絶対に止めるという相手の守備に封じこめられた。強豪国と戦ってきたコスタリカの経験がなせる業だろう。
 こういう最悪パターンは十分に予見できた。私は、あえてコスタリカにボールを持たせて引き出しカウンターの餌食にするという戦術を採用することも必要だと思っていた。実際、前半の25分過ぎくらいから、日本は、そういう時間帯を作った。しかし、ボールを奪ってからのカウンターを仕掛けなかった。これが2つ目の疑問だ。
 試合後のインタビューで遠藤は「カウンターも意識していた」と語っていたが、その意思統一の姿が見えなかった。
 森保監督は明確な指示を与えていたのだろうか。コスタリカは、リスクを負ってボールをつなぐが、中盤が雑で、日本はカウンターを狙える位置でボールを奪うチャンスがあった。しかし、カウンターではなくビルドアップしていた。ここもディフェンスの裏をつくスピードタイプの選手が先発にいなかったことで戦術の徹底がチグハグになったのかもしれない。
 ドイツ戦同様に後半のメンバー交替で3バックに戦術変更してからは、カウンターの意識が出てきたし、縦へのパスからワンタッチでボールを動かしてリズムを変えようとする工夫も見られたが、実を結ばなかった。こういう展開では、改めて大迫不在を残念に思う。
 コスタリカのような引いた相手を打破するには、体を張ったポストプレーができてボールの収まるFWが必要だったが、大迫を26人の代表メンバーから外していたため、その仕事のできるプレーヤーがいなかった。

 

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