「なぜ尾藤(元箕島高監督)が殿堂入りできなかったんだ。過去の体罰指導が問題になったのなら言語道断」球界重鎮が野球殿堂の特別表彰「該当者なし」にまたまた苦言!
2026年の野球殿堂入りはエキスパート表彰で元日ハム監督で2023年のWBC優勝監督でもある栗山英樹氏(64、現在日ハムCBO)が選出されたが、プレーヤー表彰、特別表彰については該当者なしとなった。特別表彰では、和歌山・箕島高で監督を務めて甲子園で通算4度優勝の“名将”故・尾藤公氏が選から漏れた。1992年に殿堂入りしている巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏(93)は、「アマの功績を称える特別表彰は途切らせちゃいかん。もし尾藤の過去の体罰指導が問題になって選ばれなかったのなら言語道断」と苦言を呈した。
トップの得票は“記録の神様”の宇佐美氏とソウル五輪監督の鈴木氏の2人も2票足りず
野球殿堂にはアマチュア野球界や元審判、野球に関する貢献をした文化人やジャーナリストを表彰する特別表彰がある。
対象者は「次に定めた条件のうち、少なくとも一つに該当している者」で(1)アマチュア野球の選手・指導者を引退した者。選手は、現役を引退した後5年、指導者は退任した後6ヶ月を経過していること。なお、選手が引き続き指導者となった場合には、これを現役の引退とは見なさない。選手・指導者が死亡したとき、又は選考時までに満65歳に達しているときは経過期間を必要としない。
(2)NPB及びアマチュア野球の審判員を引退した者。また、引退した後6ヶ月を経過していること。審判員が死亡したとき、又は選考時までに満65歳に達しているときは経過期間を必要としない。
(3)プロ及びアマチュア野球の組織や管理に貢献した者、又はしている者であること。
(4)野球に関する文芸・学術・美術・音楽等の著作物を有する者や、報道関係者としての実績がある者であること。となっている。
特別表彰は記者投票ではなく「日本プロフェッショナル野球組織の関係者、社会人野球及び学生生徒等の公式団体の役員、並びに野球に関係のある学識経験者」からなる計14名の委員による投票で、他の部門同様に75%以上を得票した人が殿堂入りとなる。
ここまで特別表彰で殿堂入りしたのは115人。
過去には、歴代コミッショナーや、日本アマチュア野球連盟を立ち上げた大学野球界の“ドン”故・長船騏郎氏、元高野連会長の脇村春夫氏、最近では元審判の故・谷村友一氏、富澤宏哉氏、「六甲おろし」や「闘魂こめて」などを作曲してNHKドラマ「エール」の主人公となった故・古関裕而氏、ジャーナリストの佐山和夫氏らが選出されている。
だが、今回は2011年以来、15年ぶり6度目の該当者なしとなった。
候補者は故・宇佐美徹也氏、鈴木義信氏、故・大和球士氏、故・尾藤公氏(元箕島高監督)、故・金子鋭氏(元コミッショナー)、野村徹氏(元早大監督)、故・宮井勝成氏(元中央大監督)、故・斎藤三郎氏(野球史研究家)、故・高橋昭雄氏(元東洋大監督)、故・近藤兵太郎氏(元松山商監督、台湾野球殿堂)の10人。
最初の投票で誰も当選必要得票数の11に届かなかったため、上位3人に絞って再投票が行われたが、合格ラインを超える人物はいなかった。
トップは「得点圏打率」や「盗塁阻止率」など考案した「記録の神様」として知られる元報知新聞記者で、のちにコミッショナー事務局入りした宇佐美氏と、東芝監督として都市対抗を制し、ソウル五輪の日本代表監督して銀メダルを獲得している鈴木氏の2人が9票で並び、スポーツライターでラジオ解説なども務め、野球評論家の草分け的存在で特別表彰の選考委員だった大和氏が4票だった。
議長を務めた前コミッショナー事務局長の井原敦氏は「候補者すべてが様々なジャンル、独自のジャンルで野球界に貢献された。それぞれの評価が高いところがあり、それゆえ票が割れた」と選考過程と該当者なしに終わった経緯を説明した。

