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甲子園で4度優勝した名将の故・尾藤公氏は2年連続で殿堂入りできなかった(写真:岡沢克郎/アフロ)
甲子園で4度優勝した名将の故・尾藤公氏は2年連続で殿堂入りできなかった(写真:岡沢克郎/アフロ)

「なぜ尾藤(元箕島高監督)が殿堂入りできなかったんだ。過去の体罰指導が問題になったのなら言語道断」球界重鎮が野球殿堂の特別表彰「該当者なし」にまたまた苦言!

 尾藤氏は1979年に甲子園で史上3校目(公立では初)の春夏連覇を果たすなど、春夏14度出場を果たし、通算35勝10敗(通算勝利歴代12位)の成績を残した。石井毅(元西武)ー嶋田宗彦(元阪神)のバッテリーで挑んだ1979年夏の星稜(石川)との延長18回の激闘は、今なお語り継がれる高校野球史に残る名勝負だ。
「失敗しても次頑張ればいい」の考え方でベンチでの「尾藤スマイル」が有名になったが、監督として始めの頃の指導は厳しく、時には鉄拳制裁をしていたという。その後、指導方針を改め、1995年に勇退後は日本高野連の技術振興委員会委員長などを歴任し、2008年からは若手指導者を教える「甲子園塾」の初代塾長を務めた。
 明徳義塾(高知)や駒大苫小牧(北海道)といった強豪校で部内の暴力問題が相次いで発覚する中で「体罰の撲滅」をひとつのテーマに立ち上がったセミナーで、尾藤氏は自らの体験をもとに「体罰なき高校野球」を熱く説いた。
 教え子には殿堂入りしている東尾修氏、前ロッテ監督でメジャーでもプレーした吉井理人氏らがいる。尾藤氏はガンを患い、2011年3月に68歳で他界し、昨年度から特別表彰の候補者となった。
 昨年は広陵高で起きた部員による暴力問題が大きな社会問題に発展した。広陵は夏の甲子園に出場したが、大会途中にSNSで内部告発され、暴力事件が拡散したため、2回戦の後に出場辞退するという異常事態となり、調査不足のまま、厳重注意に留めて出場を許可していた高野連の姿勢にも批判が集まった。 その後、寮で下級生に暴力をふるったとして、同校3年の男子生徒2人が暴行容疑で書類送検された。
 高校野球界で、暴力問題がクローズアップされている時期に「体罰指導をした過去を持つ尾藤氏の殿堂入りはふさわしくないと忖度でもしたのではないか」と、広岡氏は疑っているのだ。
「批判を承知で言うが、私は高野連が出場を認めた以上、広陵は辞退などする必要はなかったという意見だ。部内の暴力は見過ごしてはならない。体罰指導も今の時代では許されないことは理解している。私はSNなんやらのことはよく知らんが、ネットやマスコミが広陵の問題に限らずスポーツ界の指導者のいきすぎた指導に異常なまでに過敏になって騒ぎすぎていないか」
 広岡氏はそう持論を展開した。おそらく最初の投票で5票を獲得した尾藤氏は、来年度も殿堂入りの候補者として残るだろう。今年度で9票を集めた宇佐美氏と鈴木氏が有力かもしれないが、特別表彰委員会の14人が広岡氏の意見をどう受け止めるかに注目したい。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)

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