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大谷が元広島のジャクソンからレフトの最前列に3号ソロを(写真:ZUMA Press/アフロ)
大谷が元広島のジャクソンからレフトの最前列に3号ソロを(写真:ZUMA Press/アフロ)

大谷翔平“クリケット打法”の謎を解く…なぜ3号&二塁打2本と爆発したのか

 ドジャースの大谷翔平(29)が8日(日本時間9日)、インターリーグの敵地でのツインズ戦に「2番・DH」で出場、3号ソロに2本の二塁打を放つ大活躍でチームの4-2勝利に貢献した。5試合連続のマルチ安打はキャリア最長。ここ5試合で3本塁打、打率は.345、OPSは1.056に上昇した。その好調の背景にあったのがクリケットを使った練習方法。その効果の謎解きをしてみた。

 元広島のジャクソン「あのボールをホームランにするとは…驚いた」

 敵地での大谷劇場は二塁打から始まった。1回先頭のムーキー・ベッツが四球で歩くと、ツインズの先発ベイリー・オーバーが外角へ投げ込んだ92マイル(約148キロ)のストレートを捉えた打球は、ぐんぐんと伸びてセンターオーバーの二塁打となった。
 1-2で迎えた6回にも高めに浮いたストレートをレフト線へ運び二塁打。大谷のスタンディングダブルから、スミスの同点打につながった。そしてハイライトが7回二死からの第4打席。ツインズのリリーバーは、元広島のジェイ・ジャクソン。86マイル(約138キロ)の甘く入ったスライダーを見逃さない。逆方向へ打ち上げた打球は、レフトスタンドの花壇を越えて最前列に飛び込んだ。
 MLB公式サイトによると、打たれたジャクソンは「翔平はいい打撃、いいスイングをした。彼は素晴らしい選手だ。彼は、どこまでも強い。あのボールをホームランにするとは。驚いたけど、彼は体が大きいから、もっとたくさん打つだろうね」と脱帽した。
 デーブ・ロバーツ監督も大谷の打棒を絶賛した。
「彼がバットを振り、バレル(長打に理想的な角度と速度)で捉えた際は、強烈な打球を飛ばすことが予想できる。これまで見たことがないものだ。彼がストライクゾーンをコントロールし、ニトロゾーン(ベルト付近の甘いゾーン)でさばくとき彼以上の打者はいない。(そういう打撃を)見れてうれしいよ」
 大谷は、この日の試合前に報道陣の囲み取材に対応して、今永昇太が先発した7日のカブス戦の2時間51分の雨天中断の間に、室内練習場で打撃面が平べったくなっているクリケットのバットを使用して打撃練習を行ったことを明かした。今永に高めゾーンをフォーシームで攻められ、三振、三塁へのファウルフライと打ち取られたことで気になる修正点があったのだろう。
 そこから再開後に三塁打、二塁打を放ち、この日も、試合前に引き続き、クリケットバットで打撃練習を行い、本塁打&二塁打2本と大爆発した。
 しかも、チームメイトのジェームズ・アウトマンも真似してクリケットのバットで練習を行い、7回に勝ち越しのソロを放っている。
 ロバーツ監督も「大谷が徐々に秘密を明かしている。秘密兵器を使う選手がどんどん出てくるだろう」と、大谷が発案したクリケット打法のチームへの波及を大歓迎した。
 なぜクリケットバットを使った練習が効果的なのか。
 大谷自身は、その狙いをこう説明した。
「クリケットのバットは面になっているので(ボールを)面で捉えていくというか。どちらかというと体を振って(バットのヘッドを)返している早いスイングではあったので。握った時に練習の一環として良さそうだなと思ってやった」

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