東京マラソンは日本記録保持者の34歳の大迫傑が2時間5分59秒で日本人トップだった(写真・アフロスポーツ)
「ロス五輪に向けてやっている部分はありますけど…」なぜ東京マラソン日本人トップ大迫傑は34歳にして進化を続けているのか?
大迫は良い意味で角が取れて、自分を達観できるようになったようだ。それが普段のトレーニングに生きている。
「昔はちょっと元気過ぎたので、ハードなトレーニングでグングン押していた部分があったんです。でも、中間走みたいなメニューを取り入れるようになり、トレーニングと回復のバランスが良くなり、結果的に練習効率が上がりました。自分の頑張りたい気持ちとか、休みたい気持ちではなく、心拍数などのデータで客観的に自分の状態を把握することで、以前よりもバランスのいいトレーニングを積めるようになったと思います」
そのせいか、「(34歳になっても)元気になっています」と笑った。 ロサンゼルス五輪に向けたMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)は2027年10月3日に名古屋で行われる。大迫はMGCを36歳、ロサンゼルス五輪を37歳で迎えることになり、日本マラソン界のことも考えているようだ。
今年1月には鈴木と米国で一緒にトレーニングを積んでおり、「日本マラソン界が世界との差をどうやって埋めていくのか?」という質問にはこう答えた。
「日本長距離界はボトムアップしていると思うんですけど、所属チームだけでなく、国の垣根を超えて一緒にトレーニングしていくような取り組みをしていくべきでしょう。『日本人トップ』と言っているのではまだまだかなと思います。もっと米国に来てほしい。僕の知識やスキルをみんなに共有できるような機会が今後あればいいなと思っています」
大阪マラソンでは23歳の吉田響(サンベルクス)がペースメーカーの前に出る爆走を演じるなど、日本マラソン界には〝新たな風〟も吹き込んでいる。そのなかで大迫もまだまだ進化していくつもりだ。
(文責・酒井政人/スポーツライター)

