なぜ阪神の藤川監督は故障歴のある高橋遥人を巨人との開幕第2戦に完封させたのか…7人ローテー構想と「膝に当たった打球が大山の前に跳ね返りアウトになった運」
試合後のテレビインタビューでその点を聞かれこう答えた。
「膝にボールが当たって、それが大山のファーストのところに行ってアウトになるという意味では、野球に対する運がこちらに向いているようにも感じましたから。十分に最後までいける。球数(もまだ多くはなく)、相手の岸田選手は非常に左投手に強いのですが、うまくバッテリーで乗り切ってくれましたね」
9回でストレートはまだ148キロを表示していた。
球威に衰えがなく、膝に当たった打球が大山の前に跳ね返る運の強さに藤川監督の勝負勘が働いたのだという。
現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の一人は、藤川監督が高橋に完封させた理由をこう分析した。
「おそらく藤川監督は、高橋をすぐに抹消して本来なら次回に高橋が登板するところに大竹を入れるつもりなんでしょう。7人ローテーですね。そう考えると、高橋に多少の無理をさせてもリカバリーする時間は十分にある。まだ一度も1年間フル稼働したことのない高橋を1年間戦力にするには最適の起用法だと思います。それと石井がいないことで湯浅、ドリス、モレッタはいるが勝ちパターンのブルペンは左の比重が大きくなっている。高橋から、さらに左、左とつなぐ継投なら、球威がまだ十分にあった高橋で最後までと考えたのでしょう。的確な判断だったと思いますよ」
本来のローテーなら高橋の次回登板は4月4日の広島戦。登録抹消すれば、そこで広島に相性抜群の大竹を使える。7人ローテー構想があるのであれば、まだ球数が100球に達していなかった高橋を9回のマウンドに送り、完封させたのにも合点はいく。
そして、その評論家は、高橋自身が感謝し、藤川監督が称賛した伏見のリードをこう分析した。
「打者の調子や傾向を把握する意味で本来は3連戦は同じ捕手で通すべきだと思いますが、伏見の獲得と、こういう特定の投手とコンビを組ませる起用にも、年間を通じて、坂本、伏見のコンディションをベストに保たせたいという狙いがあるのでしょう。伏見は両サイドをうまく使う横の幅を使ったリードが特徴的でした。右打者のインサイドに食い込むストレートが高橋の武器のひとつですが、それを効果的に使うための工夫をしていた。高橋の勝負球でもある低めの変化球を振らせたいので、本来は打者の目を上下に動かすのが基本だが、伏見はあえて上下でなく両サイドの幅で揺さぶった。巨人も戸惑ったのかもしれません」
阪神は昨年オフに左腕の島本との交換トレードで日ハムの伏見を獲得した。伏見は高橋と新外国人ルーカスの登板時にマスクをかぶると予想されている。
最高のスタートを切った高橋は「この1年をどんな形でも投げ切って頑張ります」との決意表明をライトスタンドを埋めた虎ファンに向かって届けた。

