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阪神の石井大智が頭部に投手ライナーを受けて病院へ緊急搬送された(資料写真・黒田史夫)
阪神の石井大智が頭部に投手ライナーを受けて病院へ緊急搬送された(資料写真・黒田史夫)

「意識はハッキリある」阪神の石井大智が頭に打球を受けて救急搬送…「CT検査で異常がなくとも安静2週間」と専門家

 阪神の石井大智(27)が6日、甲子園でのオリックスとの交流戦で9回に廣岡大志(28)の投手ライナーを右側頭部に受けて担架で運ばれて退場、救急車で緊急搬送されるという非常事態があった。藤川球児監督(44)によると「意識もハッキリある状態」というが、当たった場所が場所だけに容体が懸念される。また試合は延長10回一死満塁から木浪聖也(30)のサヨナラタイムリーで阪神が1-0勝利した。

 オリックス廣岡の投手ライナー

 甲子園が静まり返った。
 0-0で迎えた9回だ。この回からマウンドに上がった石井が1番打者の廣岡に対して投じた2球目だった。ストレートを弾き返された強烈なライナーが、投球直後の反動で横を向き、まったく捕球体勢にも避ける体勢にも入れなかった石井の右側頭部を直撃した。その打球スピードを示すかのように跳ね返った打球は、サードのファウルグラウンドのフェンスにまで転がった。
 石井は頭を抱えてうずくまった。藤川監督、トレーナーらがマウンドに駆けつけ、すぐさま担架が運びこまれた。石井はピクリとも動いていなかった。そのままクビを固定されて甲子園に待機している救急車で病院に緊急搬送された。
 一塁ベース上では廣岡が心配そうな表情を浮かべていた。
 試合後、藤川監督は、石井の状況についてこう説明した。
「チームのドクターも診て意識もはっきりとある状態。今は念のために病院にCTを撮りに行っているという状況ではありますが、脳、頭なので、今の症状と今後の症状というのは、非常に経過を見守らないといけない」
 そしてこう続けた。
「ファンの方、オリックスさんも含めて心配をしているところではありますけど、それだけ厳しい中、アスリートというのは戦っているというところをみんなで立ち上がって戦っていると、分かっていただけると、選手も頑張り甲斐があると思います」
 脳の怪我に詳しい専門家によると懸念されるのは「外傷性の脳挫傷」だという。「すでに意識がハッキリと戻っているのであれば、急性硬膜外血腫、あるいは急性硬膜下血腫など深刻な血腫が脳内に発生している可能性はかなり低いでしょう。外部からの激しい衝撃により、頭蓋骨を骨折するなどし、それらの脳内出血を起こして、脳が圧迫される状態になるのが一番恐れる事態なのです。CT、MRI検査で異常が見つからず、一時的な脳震盪を起こした状態であったとしても、経過をみていくことが重要になります。最低2週間は安静が必要でしょう」
 詳しい診断結果が待たれるが、たとえ深刻な異常が見られなかったとしても、2週間の安静が必要となれば、その後の体を戻すトレーニング期間を考えると、最低1か月は戦線離脱を余儀なくされることになるだろう。前半戦は絶望的となる。

 

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