
「大谷翔平はエースのような投球を見せた!」749日ぶり勝利は26%がカーブの「リハビリ一番最後の段階」の二刀流で実現…ついにリミッター解除か?
ドジャースの大谷翔平投手(31)が27日(日本時間28日)、本拠地でのレッズ戦に「1番・投手兼DH」で先発し、投手復帰後初めて5回を投げ抜き、毎回の9三振を奪う2安打1失点の好投で2023年8月9日のジャイアンツ戦以来、749日ぶりの勝利を手にした。打っては5打数1安打で、その1本のヒットは、4回の逆転の口火を切るもの。5-1でチームは4連勝を飾った。ロサンゼルスタイムズ紙が「エースのような投球を見せた」と報じるなど賞賛の声が絶えない復活白星を11度目の登板でつかんだ。
「自分の中でフルに投げきれるという自信をしっかり持てる」
専門メディア「ドジャースネーション」のノア・カムラス記者がXで「大谷翔平がレッズ戦で驚異的な復活登板」とポストし、ロサンゼルスタイムズは「エースのような投球を見せた」と見出しを取った。
大谷の749日ぶりの白星は圧巻だった。
2回には2つの四球に2つの暴投が絡み一死二、三塁のピンチを作るもケブライアン・ヘイズを161キロのストレートで空振りの三振に仕留め、続くマシュー・マクレーンを131キロのカーブで連続三振。このカーブが、この日のキーとなるボールになっていく。
3回に一死からノエルビ・マルテにカットボールをレフトスタンドへ運ばれ、先制点を失うが、ここからが凄かった。
昨季67盗塁で大谷を上回ったレッズの顔であるエリー・デラクルーズを161キロのストレートで見逃しの三振に仕留めたところから、なんと5回を終えるまで、打者8人をパーフェクト。今季最多の9奪三振で、2安打1失点にまとめたのだ。
打者としても4回にチーム初ヒットとなるレフト前ヒットで口火を切り、この回4点を奪って逆転。大谷は勝利権利を持ったままマウンドを降り、4人の救援陣が得点を許さず大谷の記念すべきドジャース1勝を援護した。
MLB公式サイトによると、大谷の9つを含めてドジャースは、計19の三振をレッズ打線から奪い、これは、9イニング制の試合としては1901年以降の球団記録だという。
スポーツネットLAのインタビューをフィールド上で受けた大谷は、「(レッズに)2連勝と、なんとかいい勝ち方をしていたので引き続きゲームを作ることを心掛けていた。いい所も悪い所もありでしたが、なんとか5回まで投げれた良かった」と自らの投球を振り返った。
異色の配球だった。
87球中、カーブが23球。実に26%だ。
MLB公式サイトによると、6月16日に投手復帰して以来、ここまで10試合でカーブは合計で11球しかなく1試合でのカーブ数としてはキャリアハイの数字だった。9つ奪った三振のうち4つがカーブ。またスプリットも11球。これも今季最多だった。大谷は7種類の球種を操ったが、フォーシームも、最速100.3マイル(約161km)を計測し、100マイル超えは4球あり、空振りは14球あった。これも今季最多の数字だという。
なぜ大谷はカーブ、スプリットを多用したのか。
ドジャースをカバーしているマイケル・J・デュアルテ記者がXに投稿した試合後の囲み取材で、大谷は自らその理由をこう明かしている。
「(前回の登板後から)元々決めていた。打者の反応よりもカーブ、スピリットを多めに使うことを決めていた。今はどちらかというと自分の状態を上げていく段階で、イニングを伸ばすのもそう。自分の中の課題として(カーブ、スプリットの多用を)持っていた。リハビリ段階として、まずは真っ直ぐをいい球速で投げ切ることが一番。ドクターとのコミュニケ―の中でやってきて、カーブ、スプリットが一番最後の段階。これが投げ切れれば、自分の中でフルに投げきれるという自信をしっかり持てる」
リハビリの最終段階としてカーブ、スプリットを多用したのである。