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チェコ戦に先発した佐々木朗希が3回途中まで投げ2安打8奪三振1失点の好投でWBC初勝利。米メディアからも絶賛の声(写真・AP/アフロ)
チェコ戦に先発した佐々木朗希が3回途中まで投げ2安打8奪三振1失点の好投でWBC初勝利。米メディアからも絶賛の声(写真・AP/アフロ)

米メディアは佐々木朗希の164km“世界デビュー”を絶賛…「まだMLBで投げていない投手の中で最高の投手」「えげつないフォーク」66球中21の空振りに注目

 WBCの1次ラウンド第3戦、日本対チェコが11日に東京ドームで行われ、日本が10対2で逆転勝ちし開幕3連勝で準々決勝進出へ王手をかけた。米メディアが注目したのは、先発して勝利投手となった千葉ロッテの佐々木朗希(21)だ。初回に味方のエラーで1点を失うも、3回3分の2を投げ、2安打8奪三振1失点と圧倒し、最速は164kmをマークした。フォークを駆使して66球中21もの空振りを奪った“令和の怪物”の“世界デビュー”を「MLBで投げていない投手のなかで最高の投手」と称賛した。

 「まるで夜の散歩に出かけるような気軽さで160キロ以上の直球を何球も」

 

 WBCデビューの大舞台にも、マウンド上の佐々木からは、緊張している様子が伝わってこないと米メディアには感じられたのだろう。
 MLB公式は「仕事をしているようには見えなかった」という独特の書き出しで、チェコ打線を2安打1失点(自責点0)に抑え11個のアウトのうち8個を三振で、しかもすべて空振りで奪った佐々木のピッチングを称賛した。
「21歳の佐々木朗希はまるで夜の散歩に出かけるような気軽さで背中を揺らしながら、それでいて3桁以上のマイルを計測する直球を何度も投じてみせた。日本プロ野球界で連続パーフェクトゲーム達成まで目前に迫った実績を持つ注目すべき右腕は、初回に3番打者の二塁打とショートの中野の送球エラーで1点を失い、チェコのファンを喜ばせてしまった。しかし最終的にはわずか66球のなかで20回も時速100マイル(約160キロ)を超えたのだ」
 初回の先頭打者への初球は外角に外れるボールとなったがいきなり162kmを計測し満員のスタンドをどよめかせた。佐々木は、最速164kmを示した直球をこの日、35球を投じたが、実に20球が160km以上をマークした点を同メディアは評価した。
 同サイトは、試合前の栗山英樹監督(61)のコメントを引用しながら東日本大震災のあった「3.11」に行われたチェコ戦でのWBCデビューが、岩手出身で、震災被害にあった佐々木にとって特別な1日だったとアメリカの野球ファンに伝えている。
「3回裏に逆転し、最終的には快勝した日本の準々決勝進出がほぼ確実となったが、この試合は佐々木にとって大きな意味を持つものだった。この試合は東日本大震災によって、佐々木の父と祖父母を含む大勢の尊い命が奪われた『3・11』から12年目の日に行われた。当時は解説者で、惨状を目の当たりにしている栗山監督は『多くの日本人がまだ苦しんでいる。私たちにできることは少ないが、野球を通じて日本のみなさんに12年前のことを忘れてもらいたいし、喜んでもらいたい。野球の神様が佐々木朗希のいいプレーを願っています』と語っていた」

 野球専門誌の『Baseball America』はチェコ戦の主役として、2本の二塁打をマークした2番のソフトバンク近藤健介(29)と逆転の二塁打を放った5番のレッドソックス吉田正尚(29)とともに、投手では「WBC初登板で試合を優勢に進めた」と、佐々木にフォーカス。日米を含めた野球界全体において未来を担うプロスペクトとして佐々木を取り上げた。
「卓越した球速をマークした直球に加えて、佐々木は66球のうち実に3分の1に近い21球でスイングミス(空振り)を奪った。これは、彼のえげつないスプリッターの賜物である。佐々木はメジャーリーグで投げていない投手の中で最高の投手と言っていい」
 最後のアウトとなった8個目の三振もフォークで奪った。

 

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