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電光石火の3連打を生んだ阪神の岡田ミーティング
電光石火の3連打を生んだ阪神の岡田ミーティング

なぜ阪神の岡田監督は5回の好機で村上頌樹に代打を出さなかったのか…広島撃破の集中打の裏に隠された“岡田ミーティング”とは?

 セのCSファイナルステージの第1戦が18日、甲子園で行われ、阪神が4-1で逆転勝利し、アドバンテージの1勝を加えて対戦成績を2勝0敗とした。先発の村上頌樹(25)が先に失点したが、森下翔太(23)のCS初アーチで追いつき、5回に集中打で3点を奪って勝ち越しに成功した。粘って四球を選ぶのが、今季の阪神の戦い方だったが、岡田彰布監督(65)が「今日は最初からいっていい」とミーティングで指令。その5回に木浪聖也(29)、村上、近本光司(28)の3人が揃ってファーストストライクを仕留める“炎の3連打”で勝負を決めた。

 「1点勝負とは思っていなかった」

 

 怖いもの知らずの防御率タイトルホルダーが平常心を保てない。
「球場に来てからちょっと緊張した。マウンドに上がると(心臓が)バクバク」
 無理もない。初体験のCS舞台。特別な試合ゆえのプレッシャーである。
 その立ち上がりに二死から小園に四球を与えた。初回失点が今季ゼロ。“セ界最高”の立ち上がりの良さを誇る村上の初回四球はこれが初めてだった。
「一瞬、アレが頭をよぎったわ」
 ベンチで岡田監督の脳裏をかすめたのは、オリックス監督時代の2年目、2011年10月18日である。きしくも12年前のこの日、3位のオリックスはソフトバンクとの最終戦を迎えていた。勝てばCS進出。負ければ、4位転落の大一番。抜群の制球力を誇る先発のエース金子千尋が、緊張からか、初回に一死から四球を与えて崩れ先取点を与えてしまい、結局、すでに優勝を決めていたソフトバンクに1-4で敗れ、4位だった西武に勝率でわずかに上へ行かれて逆転でCS進出の機会を逃したのである。
「緊張とプレッシャーで金子でさえストライクが入らなくなる。あのときはソフトバンクが最多勝のかかっていたホールトンでなあ。相手も躍起になっていた。不安があるとすれば、経験のない村上が、その緊張の中でどう平常心を保てるかなんや」
 ファイナルステージを前に岡田監督は、そんな話をしていた。
「ボールとストライクがハッキリしてしまっていた」と、試合後に自戒した村上は、結局、今季最多に並ぶ3四球を与えることになるのだが、12年前の金子とは違っていた。
 西川をショートゴロに打ち取り、無失点で1回を切り抜け、3回にも二死から野間に四球を与えたが、続く小園の打席でカウント0-2から2球連続で仕掛けてきたランエンドヒットを空回りさせ、坂本が走者を二塁で刺した。
「慎重になるのは当然。ボールは走っていたからな」
 4回に先頭の小園に三塁打を打たれ、一死から秋山の右犠飛で先制された。
 この時、無死三塁、一死三塁で岡田監督は前進守備を取らなかった。
「1点勝負とは思ってなかった。後半に点取れると思ってたから(内野守備隊形を)後ろにしたよ。1点やっても別にどうってことないやん」
 岡田監督が思い描いた通りにゲームが動く。
 その裏、森下が同点アーチ。九里の変化球に対応したレフトへの弾丸ライナーだった。
 そして1-1で迎えた5回に満員の甲子園のボルテージが最高潮に達した。

 

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