「変な感じだった。球がよく見えずに混乱した」6球種を操る山本由伸の連続完投の快挙にブルージェイズ主力打者の面々が脱帽…主砲ゲレーロJr.も「彼の夜だった」と完敗を認める
ドジャースが25日(日本時間26日)、トロントでのブルージェイズとのワールドシリーズ第2戦に5-2で勝利、先発の山本由伸(27)が9回、105球を投げ4安打1失点、8奪三振で完投勝利を挙げた。山本は14日(同15日)のブリュワーズとのリーグ優勝決定戦シリーズ第2戦でも9回3安打1失点のメジャー初完投勝利を飾っており、ポストシーズンでの2試合連続完投は2001年のダイヤモンドバックスのカート・シリング以来24年ぶりの快挙。前日に11得点を奪ったブルージェイズの強力打線の面々も山本には脱帽。チームを引っ張る主砲のウラジミール・ゲレーロJr.(26)も「今日は彼の夜だった」と完敗を認めた。
「ほとんど失投をしなかった」
5億ドル(約764億円)の男が悔しそうにベンチの一番端でうなだれた。
1-5で迎えた9回。この回先頭のゲレーロJr.は山本のカーブにまったくタイミングを外されて一塁ゴロに倒れた。結局、この回も3人で終わりゲームセット。3回に4番のアレハンドロ・カークの犠飛で1点を奪った後から、打者19人が凡退。4回から9回までパーフェクトに封じられてワールドシリーズでは、2015年のロイヤルズのジョニー・クエト以来、8年ぶりの完投勝利を許した。
静まりかえったロジャースセンターのフィールド内で山本が中継局のNHKなど、報道各社のインタビューを受けている間にブルージェイズの面々は、悔しそうにベンチ裏へと消えていった。
ゲレーロJr.は1回無死一、三塁の同点機にも山本が投じた落差のあるカーブに三振。3回にレフトフェンス直撃の意地のヒットで同点の足掛かりを作るものの、6回、9回と2打席凡退した。
米ヤフースポーツ、MLB公式サイトの報道によると、11得点を奪った第1戦では、ベンチ前を走り回り、チームを鼓舞していたゲレーロJr.は、スペイン語の通訳のヘクター・レブロン氏を通じて「彼はリーグでもトップクラスの投手だ。今回初めて対戦したが、素晴らしい投球だった」と称え、完敗を認めたという。
「今日は彼の夜だった。彼は素晴らしい仕事をした」
マリナーズとのリーグ優勝決定シリーズの第7戦で、劇的な逆転3ランを放っているベテランのリードオフマン、ジョージ・スプリンガーは、1回に155キロのストレートを捉えてレフトへ二塁打を放ち、3回には死球で出塁したが、その後は、三ゴロと三振に倒れた。
「信じられない投球だった。彼は6,7つの球種を操った。彼は座ってただ失投を待てばいいようなタイプの投手ではない。今夜もほとんど失投をしなかった。本当に脱帽だ。連続完投なんて特別なことだ」
MLB公式サイトが伝えた映像によると、スプリンガーは“脱帽”という言葉を使って、山本が24年ぶりに成し遂げたポストシーズンでの連続完投勝利偉業を称えた。
ポストシーズンで打率.435の数字を残していた6番打者のアー二-・クレメントも、2回に平凡な内野フライをフリーマンらがお見合いして、捕球できないラッキーな内野安打1本に抑えられた。
米ヤフースポーツによると、クレメントは、さらに具体的に山本をなぜ打てなかったかを説明している。
「最初の2打席では、自分の目が彼の目を追っていることに気づいたんだ」
通常打者は、投手のリリースポイントを見てタイミングを合わせるが、ほとんどテイクバックがないまま投げてくる山本の独特の投球フォームに惑わされ、無意識に顔や目の動きに注意が向いてしまったというのである。

